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NSK、プレス機向け高荷重用ボールねじを商品化

 日本精工(NSK、Tel.03-3779-7050、http://www.jp.nsk.com)は、許容最大荷重を1.3倍に向上した「プレス機向け高荷重用ボールねじ」を開発し、商品化する。

 プレス機械など非常に大きな荷重を受ける送り機構には従来油圧駆動が多く使用されていた。近年、成形性や製品精度の向上、油を使わないことによる環境負荷の低減、消費電力削減などの優れた特長から回転モータとボールねじを使用した電動化が進んでいる。プレス機の中でも、板金の曲げ、打ち抜きなどの加工では、短い加圧範囲にだけ非常に大きな荷重が作用することになるため、許容される最大荷重(限界アキシアル荷重)の、より大きなボールねじが求められている。

 本製品では、独自の解析技術を駆使して、ねじ溝形状の最適設計を行ったことにより、ボールのねじ溝への乗り上げ(ボールがねじ溝の肩部に乗り上げて損傷すること)による許容最大荷重(限界アキシアル荷重)を従来比1.3倍に向上することが可能となった。板金プレスのように、短い加圧範囲にだけ非常に大きな荷重が作用する用途に最適。

 また、限界アキシアル荷重が1.3倍に向上したため、従来仕様の高負荷容量ボールねじに比べ、軸径を約20%小さくすることを可能にした。これにより電動プレス機の小型化が可能となった。

 プレス機のように大きな荷重が作用する機械では、機械の変形によりボールねじに偏荷重が作用し、ボールの競り合いが大きくなることで早期に破損することがあるが、本製品ではその対策として、ボール間にスペーサーとしてNSK S1®ピースを標準採用、長寿命化を実現した。