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マツダ、ディーゼルエンジン用PM燃焼触媒の開発と実用化で日本化学会「化学技術賞」を受賞

 マツダ( http://www.mazda.co.jp )はこのほど、日本化学会から「化学技術賞」を受賞した。同社が開発・実用化したディーゼルエンジン用PM燃焼触媒が、低燃費化によるCO2削減と排出ガスのクリーン化に大きく貢献する技術として評価されたもの。同賞は、日本における化学工業の技術に関して特に顕著な業績のあった研究者に対して贈られるもの。

 受賞対象は「高酸素イオン伝導性材料を用いた高性能パティキュレート燃焼触媒の開発と実用化」で、受賞者は以下のとおり。原田浩一郎氏、山田啓司氏、藤田弘輝氏、對尾良則氏、高見明秀氏(マツダ技術研究所)

 マツダでは、ディーゼルエンジンから排出されるスス(PM)の燃焼除去メカニズムについて研究を進め、世界初の触媒活性メカニズムを持つPM燃焼触媒を独自開発、この新触媒を用いた高耐熱性のDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)を2009年1月から欧州で本格的に販売を開始した新型Mazda6(日本名:マツダ アテンザ) MZR-CD 2.2Lターボディーゼルモデルに搭載しており、さらに今後導入される新型クリーンディーゼルエンジン車にも順次採用していく計画。

 ディーゼルエンジンでは、排出ガス中に存在するススを触媒によって燃焼処理する必要があるが、排出ガス温度を上昇させるために余分に燃料を使用する必要があり、燃費を悪化させる一因となっていた。マツダが開発したPM燃焼触媒では、内部の酸素が移動しやすく、より多くの酸素を活用できるようにすることでススの燃焼処理速度を大幅に高めることに成功、これによりススの燃焼処理に必要な燃料を節約することができ、低燃費化によるCO2の削減と排出ガスのクリーン化を実現することができた。

 受賞式は3月28日、日本大学(千葉県船橋市)で受賞講演と併せて行われる予定。昨年4月には、本技術の関連技術が自動車技術会から「論文賞」を受賞している。