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NSK、軽量・コンパクト、高出力なコラムタイプ電動パワーステアリングを開発

 日本精工(NSK、 http://www.jp.nsk.com 、 Tel.03-3779-7050 )は、ステアリングのECU(Electronic Control Unit)などのメカトロニクス機構とブラシモータを一体化した世界最短、軽量・コンパクトで高出力なコラムタイプ電動パワーステアリング(コラムタイプEPS)を開発した。

 電動パワーステアリング(EPS)は従来の油圧式パワーステアリングに比べ、燃費やステアリング制御機能に優れているため、大型車から小型車まで世界中で普及が進んでいる。近年、日本や欧州においては環境意識の高まりや、特に欧州において駐車スペースの確保のし易さから、従来に比べて格段に全長が短い小型車が登場している。一方、新興国においてはモータリゼーションの進展を背景に、従来よりも一段と小さなクルマが登場している。

 本開発品は、ブラシモータとECU、トルクセンサ基板、ギヤボックスやトルクセンサコイルのメカトロニクス部のすべてを一体化した機電一体システムの採用により、世界で最も短く、軽量・コンパクトなコラムタイプEPSを実現し、低燃費や車両の小型化に貢献する。

 NSKではトヨタ自動車の小型車「iQ」への本製品の採用を皮切りに、この機電一体型のコラムタイプEPSを日本、欧州、BRICsなどで今後益々需要が高まるコンパクトカー向けの戦略商品として、拡販をしていく計画。今後世界的に進むクルマの小型化を支え、2010年までに年間50万本以上の販売を目指している。

 特徴は以下のとおり。

(1)世界最短のコラムタイプEPS:ECUの発熱の低減と熱伝導解析に基づく放熱性を高めた設計により、トルクセンサ回路をECU制御基板に内蔵した。軽量・コンパクトで、全長が極めて短い車種への搭載を可能にした。

(2)軽量化と高出力の両立と燃費低減への貢献:モータとECU、トルクセンサを一体化したことで従来比12%軽量化し、さらにエネルギー効率を6%向上した。軽量化とエネルギー効率向上により、燃費低減に貢献するほか、高出力ブラシモータの採用により従来に比べて出力/重量比で約60%アップし、軽量・コンパクト化と高出力を両立した。

(3)操舵性の向上:軽量・コンパクトながら、欧州市場要件を満たす高度な制御機能に対応可能。