アマダ、欧州ビジネス拡大へ 板金事業で100億円投資

 アマダ( http://www.amada.co.jp )は、イタリアのソフトウェアメーカー コンピュテス社の株式を100%取得、完全子会社化すると共にフィンランドの周辺機械メーカーLKIケルドマン社の株式20%を取得する。買収、提携金額は合わせて15億円。この企業買収と資本参加は欧州市場向けエンジニアリ
ング能力の強化をはかるためのもの。

 アマダはコンピュテス社の買収後、グループ内のソフト開発販売会社(AESC)と統合すると同時にSCM機能も付加し、ソフト、制御機器を含む新エンジニアリング会社(仮称Amada Engineering Europe)を設立。これにより、機械本体、周辺装置、制御機器、ソフトを一括供給できるエンジニアリング体制が構築される。一方、顧客サポート体制として、ドイツとイタリアにそれぞれ60億円、15億円を投じるソリューションセンターの建設に加え、欧州各現地法人にエンジニアリング担当部署を設けるなどハード・ソフト両面の機能を充実させることで、世界同時不況後の回復を想定した欧州市場で販売攻勢をかける。投資総額は約100億円となる。

 日本国内ではNCT、レーザ、プレスブレーキなどアマダの板金加工機械を使用する顧客の大半は高精度加工、高い稼働率を可能にするアマダのネットワーク対応自動プログラミングシステム「AP100」を始め、VPSS、CAM、コンピュータ上で生産管理や稼動状況を把握できるソフト、さらにロボットを含む自動化された周辺装置を導入、高い生産性を実現している。

 アマダは欧州で機械本体をフランスの現地法人「AESA」で生産、供給しているが、 欧州安全基準の厳格化に伴う問題もあり、AP100などソフトの普及が国内ほど進まず、周辺機器やソフトを含むエンジニアリング対応は都度顧客ニーズに近いものを現地メーカーから調達するなど、個別に対応してきた。

 1兆円といわれる世界板金市場の50%を占める欧州は、競合メーカーがひしめき合う板金機械メーカーのメッカ。ここでは厳格な労働契約の下、世界的にみて割高な労働力への対応が喫緊の課題となってきた。このため生産性の高い自動化やロボット化などのシステム設備のニーズが高まっていることから、安定したソフト、優れた品質と高度な能力をもつ周辺装置、迅速なメンテナンスを含む、エンジニアリングの一括供給体制の構築が急がれていた。

 今回のコンピュテス社の買収は、こうした欧州地域戦略に対応したもので、欧州仕様のソフト開発部門の強化と、ソフトを軸としたエンジニアリング組織を中心にシェア拡大を目指す。

 コンピュテス社は1984 年の創業で、自動プロ開発、技術サポート(コールセンター)、ローカライズ開発などを手がけるソフトウェアの専門メーカー。技術力には定評があり、現状もアマダ向け売上が約30%とアマダのソフトに対応する十分な能力をもつ。資本金は80万ユーロ(約1億円)で、年商は580万ユーロ(約7.2億円)。従業員は62 人。

 一方のLKI社はアマダ向けの周辺装置メーカーで、1990年から取り引きを続けている。20%の株式取得は両社の協力関係を強化するためのもので、LKI 社の意見を取り入れて欧州向け自動倉庫、ローダー・アンローダーなど周辺装置の完成度を高めていく。これをコンピュテス社のソフトと一体化、金型などを含め欧州市場向けソリューションビジネスとして完成させ、市場に提供していく考えだ。LKI社の資本金は5万ユーロ(約625万円)。年商1,783万ユーロ(約22.3億円)で、従業員は110人。アマダからは取締役を派遣すると共に技術指導員を送り、周辺装置の高度化をめざす。