メインコンテンツに移動

アマダ、切断速度10倍 、寿命5倍の超硬合金バンドソーブレードを販売

 アマダ( http://www.amada.co.jp )は、従来のハイス製ブレードに比べ切断速度が5倍?10倍以上、寿命が3倍?5倍以上と、高速・長寿命の画期的な超硬合金バンドソーブレード「AXCELA」(アクセラ)の国内販売を開始する。

 難削材の切削抵抗を減少する切り溝5分割分散歯形の開発、チッピング防止の研磨方式マイクロチャンファー技術および高硬度・高耐熱性、高密着のコーティング技術「EXCOAT DP」(エックスコート)の確立によって高速・長寿命化に成功した。

 チタンなど超難削材を大量に使用する航空機産業、原子力発電、太陽光発電など先端産業向け部品加工用として開発、商品化したもの。同社の最新鋭パルスカッティングバンドソー「PCSAW シリーズ」に搭載することでブレードの能力を最大限に引き出すことができる。

 AXCELAは形状の異なる3種類の歯形で構成されている5分割分散歯形を採用。これにより切断時の切削抵抗を大幅に削減。例えば、これまで40分かかっていた直径300?のステンレス鋼SUS304を10分の1のわずか4分で切断。10倍の切断速度を実証した。いずれも同社独自に開発したマイクロチャンファーという技術で歯先を研磨、超硬合金ブレードの弱点とされていたチッピングを防止、業界待望の長寿命化を実現した。

 鋭く尖った鉛筆の芯はわずかな力で折れてしまい、これまでの超硬合金ブレードは同様に、先端は欠けやすく脆い。その鋭く尖った先端を微細面取りし、チッピングを抑えるのがマイクロチャンファー技術。

 マイクロチャンファーは同社が長年研究開発した独自の研磨技術で、これを超硬合金ブレードに応用したことで、チッピング防止に成功した。さらに寿命の向上に寄与したのがコーティング技術。

 今回の「EXCOAT DP」は同社独自の研究で生み出した技術を社内設備で実現。
EXCOATを施すことで、ブレードの硬度、耐熱性がより向上、強力なブレードに生まれ変わる。このコーティング技術がブレードの長寿命化に大きな役割を果たしている。

 超硬合金ブレード「AXCELA」が対象にする金属は、難削材といわれるステンレス鋼、合金工具鋼、切断が非常に難しいといわれるチタン、インコネルなどの超合金鋼。超硬合金ブレードは、北米で最も多く使われており、世界の70%を占めるという。次いで欧州19%、日本8%の順。アマダは、一昨年の欧州EMO ショーでの参考出品に対する大きな反響をバックに、北米の現地法人アマダ・ノース・アメリカのシカゴシャンバーグソリューションセンターで今年3月「PCSAW エキスポ」を開催、AXCELA の販売を開始した。次いで4月、中国の工
作機械見本市「中国国際機床展覧会」(CIMT09)に出品すると共に、市場開拓に乗り出した。