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『新版 固体潤滑ハンドブック』日本トライボロジー学会 固体潤滑研究会 編

 1978年に発行された『固体潤滑ハンドブック』(松永正久監修、津谷裕子編集、幸書房)は多くの研究者、技術者に利用されてきたが、発行から30年が経ち、またすでに絶版となっていた。さらに近年、炭素系新材料(DLC、フラーレン、クラスターダイヤモンドなど)、新酸化物系固体潤滑材料などのトライボ材料としての研究や応用、また従来の固体潤滑剤においても多層膜形成によるトライボ性能の向上や高速噴射による固体潤滑層の形成技術など、固体潤滑技術の進歩と発展は目覚ましいものがあることから、固体潤滑に関する新たな専門書の出版が要望されていた。本書はこうしたニーズに応え、2007年の日本トライボロジー学会創立50周年記念事業の一環で、『固体潤滑ハンドブック』新版として企画されたもの。最先端の固体潤滑や試験法および各種カーボン系新素材など最新の技術と情報について、固体潤滑に関わる専門家68名の執筆陣が詳細に、わかりやすく解説した。固体潤滑分野での貴重な文献として、産業における試験・研究のほか、様々な分野への応用が期待される。主な内容は以下のとおり。

Ⅰ.歴史編

Ⅱ.産業編:産業としての固体潤滑、固体潤滑剤原料(二硫化モリブデン・炭素系材料・PTFE・二硫化タングステン)、固体潤滑複合材料の現状(高分子系複合材料・金属基複合材料・炭素系複合材料・セラミックス系など)、固体潤滑被膜・表面改質の現状(固体被膜潤滑剤・PVD・CVD法による被膜)、固体潤滑添加油・グリースの現状

Ⅲ.基礎編:総論、固体摩擦理論、固体潤滑法(固体被膜・自己潤滑性材料・潤滑油・グリースへの添加など)、固体潤滑剤各論(炭素系固体潤滑剤・遷移金属ジカルコゲナイド・窒化ホウ素・軟質金属・セラミックス・雲母・その他の固体潤滑剤)、最先端の固体潤滑(ゼロ摩擦・極低摩擦の実現・特殊環境のトライボロジー・マイクロ・ナノトライボロジー)、試験法(トライボロジー特性試験法・機器分析)

Ⅳ.応用編:固体潤滑剤の使用形態、固体潤滑剤の種類、機械要素(すべり軸受・転がり軸受・シール・歯車・ねじ)、産業における応用(自動車・鉄道・OA・AV機器・産業機械・ターボ機械・航空宇宙機器・パワープラント・構造物・橋梁関係・住宅関連機器・塑性加工・電気・電子機器・クリーン環境・医療福祉機器・食品・化成品用高性能ポンプ・スキー用ワックス・文具・生活関連機器)

Ⅴ.資料編:固体潤滑剤の諸性質、市販固体潤滑剤の特性、固体潤滑関連規格

 B5判、458頁、定価9,870円(本体価格9,400円)。養賢堂発行。