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国交省、ディーゼル特殊自動車の排出ガス規制を強化

 国土交通省( http://www.mlit.go.jp )は、本日、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」(平成14年国土交通省告示第619号)などを改正、公道を走行する大型特殊自動車および小型特殊自動車の排出ガス規制(ディーゼル車)の強化を行った。

 今回の排出ガス規制の強化は、2008(平成20年)1月の中央環境審議会第9次答申に基づくもので、これにより我が国のディーゼル特殊自動車の排出ガス規制は世界で最も厳しいレベルのものとなる。具体的には、ディーゼル特殊自動車の排出ガス規制値が、従来と比較して粒子状物質(PM)で88~93%強化される。改正の概要などは以下のとおり。

改正の概要


  1. 排出ガス新試験モードの導入
    日本も参画している自動車基準調和世界フォーラム(UN/ECE/WP29)で作成された世界統一基準NRMM gtr(Non- Road Mobile Machinery global technical regulation)に規定されているNRTC(Non-Road Transient Cycle)モード法を、ディーゼル特殊自動車の排出ガス規制における新試験モードとして導入する(現行の試験モード(ディーゼル特殊自動車8モード法)も存置)。
  2. ディーゼル特殊自動車の規制強化
    a.モード規制値の強化
    ・平成23年(2011年)~平成25年(2013年)にかけて、後処理装置の装着を前提としたPMなどの排出ガス規制値(ディーゼル特殊自動車8モード法およびNRTCモード法は同一値)を強化する。

    ・炭化水素(THC)から非メタン炭化水素(NMHC)に対する規制に変更する。

    b.黒煙モード規制値及び無負荷急加速黒煙規制値の強化
    「ディーゼル特殊自動車8モード排出ガスの測定方法」(細目告示別添43)に規定するディーゼル特殊自動車8モード法により運行する場合に排出される排出物に含まれる黒煙による汚染度及び「無負荷急加速黒煙の測定法」(細目告示別添46)に規定する方法により測定される黒煙による汚染度の規制について、定格出力が75kW未満である原動機を備えたディーゼル特殊自動車に対し規制を強化する。



規制適用時期


 規制適用時期については、「道路運送車両の保安基準第二章及び第三章の規定の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示」(平成15年国土交通省告示第1318号)の一部改正を行い、以下のとおり定めた。
 
・定格出力130kW以上560kW未満の原動機を備えたもの
平成23年10月1日(継続生産車及び輸入車については平成25年4月1日)

・定格出力75kW以上130kW未満の原動機を備えたもの
平成24年10月1日(継続生産車および輸入車については平成25年11月1日)

・定格出力56kW以上75kW未満の原動機を備えたもの
平成24年10月1日(継続生産車および輸入車については平成26年4月1日)

・定格出力37kW以上56kW未満の原動機を備えたもの
平成25年10月1日(継続生産車および輸入車については平成26年11月1日)

・定格出力19kW以上37kW未満の原動機を備えたもの
平成25年10月1日(継続生産車および輸入車については平成27年9月1日)

規制強化による排出ガス削減効果

 公道を走行しない、いわゆるオフロードの特殊自動車についても、「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」(平成17年法律第51号)に基づき、今回の改正と同じレベルの排出ガス規制を同時に実施した。これらの規制が実施され、すべての特殊自動車が新規制適合車に代替した場合、特殊自動車からの総排出量は、平成17年度と比較し、PMが約93%(約1.0万tから約0.07万t)削減されることになる(中央環境審議会大気環境部会自動車排出ガス専門委員会第9次報告)。