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NTN、一人の医師により脳動脈瘤コイル塞栓術を高度に支援する装置を開発

NTN「脳動脈瘤コイル塞栓術を高度に支援する装置」 NTN( http://www.ntn.co.jp )、名古屋工業大学大学院の藤本研究室、名古屋大学大学院医学系研究科脳神経外科の宮地准教授グループによる共同研究チームは、これまで開発した「脳動脈瘤治療用センシングシステム」に加え、一人の医師による脳動脈瘤コイル塞栓術を高度に支援する装置を開発した。

 開発したアシスト装置は、一人での治療を支援するもので、医師はフットスイッチで連動したモータで指先では実現できない送りムラのない一定速でワイヤを送り出しながら、同時に両手操作でカテーテルを位置決めできる。ワイヤの送り出しによって変化するワイヤ挿入力は脳動脈瘤治療用センシングシステムで測定され、従来の視覚表示に加え、音程(聴覚)情報に変換されて医師に伝達される。この構成により、医師は術中に映しだされるコイルのX線画像を常に監視しながら、コイルとカテーテルを同時に操作できる。また、ワイヤ操作をボタン一つでいつでも従来の手元操作に戻すことができる高い安全性を確保している。

 このように、本装置は高度でセンシティブなアシストを実現することで、これまでの医療現場の課題を解決する。さらにワイヤ挿入力の定量化により医師の早期育成にもつながるという。今後、臨床応用が広がれば、より安全で確実な脳動脈瘤塞栓術が施行できるようになると期待される。

 適切な力でコイルを挿入するには、コイルの挿入位置を決めるカテーテル先端の高度な位置決め技術が重要。一人の医師でカテーテルとワイヤを両手で同時操作するには高度な技術・技能が必要となるため、二人の医師でカテーテルとワイヤを操作することが多いが、操作する医師同士の意思疎通が非常に重要となる。また、一人で治療しなければならない状況のときもあり、これら課題の解決が求められている。

 NTNでは、医師が極細ワイヤにかけている指先の微小な力を測定し表示する「脳動脈瘤治療用センシングシステム」を2006年に開発。その後、名古屋大学医学部とともにその検証を繰り返した結果、同システムの有効