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理研など、材料の内部構造を1μmの精度で観察する小型3次元内部構造顕微鏡の開発

 理化学研究所( http://www.riken.jp )は、物質・材料研究機構(NIMS、 http://www.nims.go.jp/ )と高島産業( http://www.takashima.co.jp )とともに、材料の内部構造を1μmの精度で詳細に観察する、実用レベルの小型3次元内部構造顕微鏡の開発に成功した。

 同顕微鏡は、理研とNIMSが共同で開発した、ビッカース硬度150GPa程度で現在実用に供されている材料の中ではダイヤモンドに次いで硬く、熱化学的に安定な立方晶窒化ホウ素(cBN)の切削加工技術を活用して、材料の断面を鏡面加工し、詳細な断面の観察を多断面にわたって実施する3次元内部構造顕微鏡システム。

 同顕微鏡の心臓部となる鏡面切削加工技術は、理研社会知創成事業イノベーション推進センター生物基盤構築チームの横田秀夫チームリーダー、藤崎和弘客員研究員(北海道大学助教)とNIMSナノスケール物質萌芽ラボ超高圧グループの谷口尚グループリーダーらによる共同研究で開発した。

 研究グループは、高島産業の既存の加工装置をベースに、鏡面加工と撮影、1μm以下の高精度な位置決め、三次元の画像処理までを完全な自動プロセスで行う観察装置を開発した。これまで、金属材料の内部構造の観察は、人の手で材料断面を研磨して鏡面に加工し、顕微鏡観察を行っていた。三次元観察を実現するためには、材料の切断、研磨、写真撮影という工程を何度も繰り返す必要があり、多大な時間と労力がかかることから、二次元観察が一般的。今回開発した装置は、精密加工機による切削で鏡面加工することで、人の作業が不要になる。

 また、撮影や正確な位置決めも完全な自動プロセスで行うため、短時間で高精度な三次元情報の取得が可能となる。これにより、材料内部の介在物や空隙、亀裂といった欠陥の形状や分布を明らかにすることができ、部品や製品の欠陥発生の原因を究明することに加え、効率的な長寿命製品の開発に貢献することが期待される。

 今回の研究成果は、高島産業が経済産業省戦略的基盤技術高度化支援事業で行っている「三次元内部構造顕微鏡を用いた高精度形状測定及び内部観察技術の開発」の共同研究の中で実施した。