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三菱重、イタリアのガスタービン部品補修会社に資本参加

 三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、イタリアのガスタービン部品製造・補修会社であるATLA社(ATLA S.r.l.)に資本参加し、欧州地域におけるガスタービンの保守サービス体制を強化する。同社とともにガスタービン高温部品の補修・点検などをきめ細かく展開することで、欧州市場での競争力を高めるのが狙い。

 これにより、三菱重工業の海外市場におけるガスタービンのアフターサービス事業は、すでに強化策を講じている米州とアジアに次いで、欧州・中東でも拡充され、世界3極体制が整うことになる。

 資本参加は、同社がATLA社の発行済株式のうち、40%をイタリアの航空宇宙メーカーAVIO社およびATLA社のE.ガンジーニ(Gandini)社長から取得するかたちで行った。

 ATLA社は1978年の設立で、トリノ近郊のキエリ(Chieri)に本社工場を構え、ガスタービン部品などの製造および補修を手掛ける。三菱重工業製ガスタービンの補修実績も多く、高温部品の補修では定評がある。2007年には、合弁でDiamond GT Service Europe s.r.l.(DGTSE、本社:ミラノ北部のクレメッラ)を設立し、納入済みの当社製ガスタービンの検査業務などを行っている。

 資本参加を機に、三菱重工業はATLA社に役員を送り、ガスタービン高温部品の補修、小物部品や補機の保守を中心に、世界最高水準の技術サポート体制を整備。引き続き、ATLA社の工場拡張による補修能力や部品新造機能の増強、出資比率引き上げなども検討していく。

 三菱重工業の欧州における原動機サービス事業は、ロンドンのMPSEサービス事業部が主体となって推進しており、スペインのMHI Power Systems Spain, s.l.(MPSS、本社:マドリッド)、DGTSEに加え、2009年にはベルギーの回転機械保守大手であるMaintenance Partners NV(MP、本社:アントワープ)を買収して傘下に収め、中東・アフリカまでをカバーするネットワークを敷いている。

 今回、ATLA社をグループに加えることにより、現地での迅速かつタイムリーな補修・製造サービスの提供が可能となり、欧州での更なる強固なサービス体制が実現する。Diamond Service Network の高い品質と技術で、域内の既存・新規顧客に対して高密度なサービスを提供していく。