産総研、光で溶ける有機材料を開発

 産業技術総合研究所( http://www.aist.go.jp )は、加熱することなく光を照射するだけで、固体から液体へと融解(相転移)し、さらに元の固体状態に戻すこともできる有機材料を開発した。

 今回開発した有機材料は、一度状態を変えると元に戻せない(不可逆)感光性樹脂と違い、光異性化反応による状態変化なので元の状態に戻すことができる(可逆)のが特長。

 これまで、光異性化反応によって分子の構造(形)が変化する有機化合物は数多く知られているが、光異性化反応は溶液中では起きるものの、結晶中ではほとんど起きないとされていた。今回、合成した新規有機化合物は、分子量が 1,100~1,700程度で、結晶中でも光異性化反応が起き、融解によって固体状態から液体状態へと変化する。これは、物質の融解現象の基本原理にもかかわる重要な発見であるという。

 今後はこの有機材料を大量に合成する手法の確立を目指すとともに、フォトリソグラフィーなどさまざまな応用への可能性を探る。

2種類の有機化合物(上段、下段)の相転移の様子。液体部分は黒く観察される。2種類の有機化合物(上段、下段)の相転移の様子。液体部分は黒く観察される。