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三菱重、米で大型風力発電設備49基受注

 三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、米国の大手発電ディベロッパー AES Wind Generationのグループ会社であるマウンテンビューパワーパートナーズIV社(Mountain View Power Partners IV, LLC)から大型風力発電設備49基(総発電出力4万9,000kW)を受注した。

 機種は出力1,000kWのMWT62/1.0型風車。同社がカリフォルニア州パームスプリング市で進める大規模風力発電プロジェクトに採用されるもので、これにより、MWT62/1.0の累計受注台数は2,000基超を達成した。納期は2011年末の予定。

 今回の受注は、三菱重工業原動機事業の米国営業拠点であるMPSA(Mitsubishi Power Systems Americas, Inc.)を通して獲得したもので、MWT62/1.0は、三菱重工業製600kW風車が稼動しているパームスプリング市のサイトに隣接して設置され、地域の電力を賄うこととなる。

 1,000kW風車MWT62/1.0は、このクラスで世界最高レベルの発電性能を達成し、全世界で1,976基が運転されているベストセラー機。ブレード(翼)の構造や形状に工夫を施し、低風速でも高性能な発電を実現する。今回の受注はこれらの実績と技術的信頼性が高く評価されたことによる。

 米国の風力発電機市場は2009年まで急成長を続けてきたが、金融危機の影響もあって一時的に停滞、2010年の風力発電設備導入量は前年のほぼ半分の 500万kW規模に落ち込む見通し。しかし、米国政府は風力発電をはじめとする再生可能エネルギー導入を後押しするため、優遇税制措置(PTC)に加え、設備投資額の30%を上限に費用を助成する制度の延長を決めたほか、多くの州でも再生可能エネルギー用割当基準(RPS)の導入が進んでおり、今後も大規模な風車の建設が続くものと期待されている。

 三菱重工業はこの需要回復を睨み、2010年10月から米国アーカンソー州フォートスミス市に風車ナセル工場の建設を進めている。2011年秋には生産を開始する計画で、当面の生産能力は年間約60万kWとなる。同社はすでに北米向けのブレード生産拠点としてVienTek社メキシコ工場を運営しているが、これに加え、風車の心臓部といえるナセルの生産拠点を北米に確保することで、米州市場の需要により一層積極的に対応していく。