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森精機、大型の高精度横形マシニングセンタ

森精機製作所「NHX10000」 森精機製作所は、高精度横形マシニングセンタ「NHX10000」の販売を開始した。 同品は、最大ワークサイズφ2,000mm×1,600mm/最大積載質量5000kgの大型機種。近年、需要が高まっている建設機械や航空機、エネルギー産業における大型ワークや難削材の加工に適しているという。

 主な特徴は以下のとおり。


  1. 高速・高精度を実現する独自技術
     高速・高精度な NH シリーズのコンセプトを受け継ぎ、サドルを両端で支持する Box in Box構造を採用している。主軸を中心とした対象構造により熱変位を抑える。また X、Z軸の駆動には、2本のボールねじで移動体の重心を駆動するDCG(重心駆動)を採用しており、高速・高精度加工を阻む振動を抑制し、加工精度の向上、加工時間の短縮、工具寿命の延長を実現する。この結果、真円度2.1µm(スケール有りの場合)、従来機比2.5倍の早送り速度50m/min と、2倍以上の加速度を実現した。また、振動抑制により、面品位も向上している。

  2. 信頼性
     NHX10000の主軸は、高圧クーラントの多用を考慮してラビリンス構造を高度化、主軸内にクーラントが浸入しない構造としている。チップコンベヤは内製の万能機外チップコンベヤを選択可能とした。粉状の切りくずから長い切りくずまで、種類を選ばず確実に機外へ搬出する。切りくずに起因する様々な問題を削減する信頼性の高いチップコンベヤとなっている。

  3. 高い作業性
     機外と機内に足場を設け、段差を無くすことで、機内での心出し作業や確認作業を容易に行える。段取りステーションのドア開口幅を広く(2,300mm)取り、最大ワーク径φ2,000mmのワーク着脱作業が容易になった。また切りくず処理については 3本のスパイラルコンベヤを採用し、そのうち 2本を段取りステーション側まで延長することで、段取りステーション内の切りくずも確実に機外搬送する。

  4. シングルパレット仕様
     NHX10000には、顧客から要望の多かったシングルパレット仕様を用意している。2 面旋回式APCを装備しないシンプルな機械構成により、省スペース化を実現。機内の作業エリアを大きく確保することができ、段取りの作業性を向上している。試作品などの一品物ワークの加工に適した仕様となっている。

  5. 多彩なオプション
    高精度な同軸度を必要とする大型ワークの深穴ボーリング加工やガンドリル加工用に、パレットサイズと同じ最大工具長1,000mmの工具が収納できるロングツールマガジンを用意した。これによりB軸反転なしに加工ができ、切削時間の短縮と高精度加工が可能。さらに高精度な加工を求める顧客には、「多系統高精度オイルコントローラ」をオプションで用意している。機械上の複数の熱源に対して、個別に最適な温度の冷却オイルを流すことで、理想的な熱変位抑制を行う。