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ヤマハ、生産性向上のため磐田本社工場にエンジン・完成車の一貫組立ラインを構築

 ヤマハ発動機( http://www.yamaha-motor.co.jp )は、これまで磐田南工場で行っていた二輪車、スノーモビルのエンジン組立を8月末までに磐田本社工場に完全移管したと発表した。

 この移管により、磐田南工場のエンジン組立ライン12本、磐田本社工場の完成車組立ライン9本の合計21ラインが、エンジン・完成車一貫組立ライン4本と少量生産ライン2本の合計6ラインへと大幅に圧縮されるとともに、二輪車、スノーモビルの組立が、磐田本社工場で一貫して行えるようになった。

 同社は、2012年を最終年とする中期3ヶ年経営計画の中で、国内生産体制の再編成、経営基盤変革を推し進め、収益体質の確立を目指している。主に日本・欧米など先進国向け製品の生産を行っている国内でのモノづくりにおいては、従来の「規模依存型」から脱却して「損益分岐点型」の事業経営を目指し、二輪車20万台、船外機23万台、ATV/SSV(サイド・バイ・サイド・ビークル)10万台で採算の取れる事業体質改革を進めている。

 同社は従来、二輪車、船外機など製品事業ごとに、部品製造、エンジン組立、完成車組立といった生産機能別に分散した工場を抱え、個別工場ごとの生産性を追求してきた。しかし、「損益分岐点型」の経営を目指すうえで、従来の分散型の生産体制では総合的に生産性を向上させていくには限界があったという。今回の国内生産体制の再編成では、「部品製造集約」「組立一貫化」「製造マネジメント統合」を進め、集約・統合された工場レイアウトへと抜本的な構造改革を実施し、生産ライン稼働率、物流効率、管理効率の向上、製造技術力の強化を目指している。

 具体的には、従来の12工場25ユニット体制を7工場14ユニット体制に集約・統合することを進めており、今回の磐田南工場のエンジン組立移管を含め、この8月までに10工場18ユニットまで再編が進んだことになる。
完成したエンジン(右)を車体フレームに組み付ける作業員