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東レ、CFRPを使用したコンセプトカーをモーターショーに出品

 東レ( http://www.toray.co.jp )は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などを使用して大幅な軽量化をしたコンセプトカーの電気自動車(EV)「“TEEWAVE” AR1」を12月3日(土)~11日(日)に東京ビッグサイトで開催される「第42回 東京モーターショー2011」に出品する。

 コンセプトカーは、「東レの先端材料・先端技術を駆使し、すべての人に魅力あるコンセプトを提供する」ことを目標に、東レグループが取り組む自動車用途向けのグリーンイノベーション戦略を体現するフラッグシップとして制作した。CFRPや繊維、樹脂、フィルムなど同社の持つ様々な材料と設計・加工の技術を適材適所に活用することで、環境負荷の低減に加えて安全性と経済性を兼ね備え、さらには生産性の高さも実現するコンセプトを提案していくもの。

 コンセプトカーの車体基本構造には熱硬化炭素繊維複合材料(CFRP)製のRTM一体成形モノコックとCFRP製衝撃吸収体を採用し、軽量化と同時に優れた車体剛性と衝突安全性を実現するとともに、ボンネットハッチやルーフには1分程度のハイサイクル成形が可能な熱可塑CFRPを適用するなど、それぞれの材料の特徴を最大限に発揮させるよう使用部位を最適化した。内装材にはリサイクルポリエステル繊維を使用した人工皮革“ウルトラスエード”および各種バイオマス繊維や発泡体、さらに塗装代替技術として金属光沢調フィルム“ピカサス”やフィルム加飾技術など、先端材料・先端技術を組み込んでいる。

 CFRP製モノコックの採用により、2シータオープンモデルでも軽量で優れた車体剛性や衝突安全性を実現し、この基本設計を活かすことによって、他の車型への展開が容易になるというメリットも実現させた。完成したコンセプトカーを評価するために、今回の2シータオープンモデルをベースに試算した4シータ乗用車の性能を現在市販されている従来素材・構造からなるEVと比較、検証を行った結果、1回の充電で走行できる距離を一定とした場合、開発したコンセプトカーでは従来EVと比較して、車体重量が1,520kgから975kgと約2/3に軽量化でき、CO2排出量は14.9tが13.6tと約9%低減可能だという。

 同社は、今年4月からスタートさせた中期経営課題において、成長分野での事業拡大を目指しており、「自動車・航空機」は重要な成長領域として先端材料開発や事業横断的な取り組みの強化で事業拡大を推進することとしている。

東レ「“TEEWAVE” AR1」