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NTN、太陽光発電追尾装置用電動リニアモジュールを開発

NTN「「太陽熱/太陽光発電追尾装置用 電動リニアモジュール」」 NTN( http://www.ntn.co.jp )は、高精度な位置決め技術を応用し、太陽光および太陽熱発電設備で使われる「太陽熱/太陽光発電追尾装置用 電動リニアモジュール」を開発した。

 太陽エネルギーを効率的に活用するタワー型太陽熱発電プラントは、太陽の動きを追尾する反射鏡を用い、中央のタワーに太陽光を集めて得た熱を利用して発電する。太陽を追尾する装置は、一般的に仰角は直動、水平角は回転駆動で構成されている。

 これまで、仰角の駆動には構造が簡素で量産性の高い空圧式や油圧式シリンダの直動アクチュエータが使用されていた。しかし、各シリンダともに外部にコンプレッサや専用配管などの付帯装置が必要で、これらの設備にも多くの電力を要する。また、シリンダや配管からの空気や油漏れを完全になくすことは困難で、保守点検や修理にも時間や費用を要していた。

 同社が開発した「太陽熱/太陽光発電追尾装置用 電動リニアモジュール」は、電動モータ駆動方式のシリンダ型リニアモジュール。送りねじ部にボールねじを採用することで、高い繰り返し位置決め精度と、長時間の使用が可能な耐久性を確保した。また、直動案内部となる本体ハウジング内面の軌道面に溝を設けると同時に、ガイドローラとして転がり軸受を使用することで、滑らかな直動案内と高い剛性を実現した。

 太陽熱発電設備は、砂漠地帯など広大な土地で日照条件がよい場所の設置が適している。同品は、砂塵や異物の侵入を防ぐための防塵シールのほか、紫外線や熱に強い配線保護用チューブを装備しており、砂漠地帯などの過酷な環境下での使用が可能。

 さらに、同品は太陽光発電にも適用可能で、ソーラーパネルに追尾装置を装備することにより、固定式と比べて約1.6倍の発電量が期待できるという。同社ではすでに同品を太陽熱発電設備メーカーに提供し評価試験を行うとともに、世界各地で販売活動を進めている。