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旭硝子、熱処理による収縮を1/5に抑えたガラス基板

「AN Wizus」の外観「AN Wizus」の外観 旭硝子は、スマートフォンやタブレットPCなどの高精細ディスプレイ用パネルに適した超低熱収縮特性を有するガラス基板「AN Wizus(エイエヌ ウィザス)」の販売を開始する。

 スマートフォンやタブレットPCでは、低温ポリシリコン(LTPS)液晶や有機ELなどの高精細パネルの採用が拡大している。これらの高精細パネルでは、製造工程における高温での熱処理によるガラス基板の収縮がパネルの品質や生産性に大きく影響する。そのため、 高精細パネルに用いるガラス基板は熱処理による収縮が小さいことが求められている。

 同社のガラス基板は、長い徐冷工程により低熱収縮ガラスの生産に適したフロート法で生産している。「AN WizusTM」では、フロート法での生産に加え、ガラス組成を改善することで、熱収縮を従来品のAN100と比べ約5分の1に抑えた。これにより、高精細パネルの品質や生産性の改善が期待できる。

 曲げに対する剛性(ヤング率)も、AN100の77GPaに対して85GPaと高い。光弾性は27nm/cm/MPaと、AN100から約10%改善した。また、パネルを薄型化する際の加工処理もAN100より10%高速に行えるという。