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三菱重工業、アメリカ・原子炉容器に対するウォータージェットピーニング受注

ウォータージェットピーニング工事の模様ウォータージェットピーニング工事の模様 三菱重工業は、米国の加圧水型原子炉(PWR)であるウルフクリーク(Wolf Creek)原子力発電所(カンザス州)とキャラウェイ(Callaway)原子力発電所(ミズーリ州)の原子炉容器に対するウォータージェットピーニング(Water Jet Peening:WJP)工事を2プラント連続で受注した。

 原子炉容器の出入口管台などと一部の異種金属溶接部を対象に経年劣化の一つである応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking:SCC)を予防するもので、海外の原子力発電所を対象にWJPが適用されるのは今回が初めてだという。

 今回のWJP工事は、それぞれの原子力発電所を運転・管理する電力会社であるWolf Creek Nuclear Operating CorporationとAmeren Missouriから、同社の米国現地法人である三菱ニュークリア・エナジー・システムズ・インコーポレーテッド(Mitsubishi Nuclear Energy Systems, Inc.:MNES、三菱重工業が100%出資)を通じて受注したもの。

 SCCは、環境、材料、応力の三つの要因が重なることで発生する経年劣化事象だが、WJPは、水中で高速水を噴射することで発生するキャビテーション(空洞現象)を利用して、原子炉容器の内表面に圧縮応力を与え、SCCを予防する。同社は日本国内では、すでにPWR21基に対してWJPを実施している。