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神戸製鋼所、船舶用ディーゼルエンジン用組立型クランクシャフトにおいて新たな鍛造法

 神戸製鋼所は、船舶用ディーゼルエンジン用組立型クランクシャフトの製造において、「型入れ鍛造法」による製造技術を開発した。この「型入れ鍛造法」を用いることにより、従来の「折り曲げ鍛造法」に比べて大幅に設計疲労強度を向上させることができるという。

 現在、船舶に対しては環境規制強化の問題や船舶燃料価格高騰に端を発する燃費改善要求の高まりから、所謂「エコシップ」のニーズが高まっている。このエコシップの開発には、抵抗を減らす「船型開発」や排出ガス量および燃費を改善する「エンジン開発」などが重要になってくる。特にエンジン開発については、スクリュープロペラの大径化と低回転化が進むことで、低回転域で高出力が求められる傾向にある。これらを満足させるため、エンジンはロングストローク化の方向にあることからクランク軸のスローは従来に比べ長く・重いものとなり、負荷応力や軸受荷重が増大することになる。

 これに対して、同社が開発した「型入れ鍛造法」では、製鋼からの一貫鍛鋼メーカーであるという特長を生かし、鋼の清浄化との組み合わせにより疲労強度を従来製法のものに比べ約20%程度向上することが可能だという。これによって、ロングストローククランクスローの信頼性向上、軽量化が可能となる。

 また、同社は「型入れ鍛造法」の開発に合わせてスローの検査評価精度向上を図るために、内部品質を漏れなく検査し記録する「自動超音波探傷技術」と、クランクシャフトが軸受と接触する部位の接触度(当たり)を画像で定量的に評価する「定量評価技術」も新たに開発した。

当社は、今回の型入れ鍛造法のみならず、素材面で舶用部品の高級化に資する技術シーズ・研究開発体制を備えており、如何なる顧客ニーズにも真摯に対応していくことで、海運・造船業界の発展に貢献してまいります。