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三菱マテリアル、レーザーを用いた形態形成技術でcBN工具などの微細化を実現

レーザーによって形態形成したcBN焼結体の6枚刃スクエアエンドミル(刃先直径0.3mm)レーザーによって形態形成したcBN焼結体の6枚刃スクエアエンドミル(刃先直径0.3mm) 三菱マテリアルは、自動車関連・デジタル家電ならびに電子関連部品等のさまざまな産業分野における精密加工を実現するレーザーを用いた切削工具の形成技術を開発した。

 切削工具の形態加工は、従来、砥石などの工具を使って行ってきたが、工具寸法を小さくする上で限界があるため、加工できる寸法に限度があった。また、cBN(立方晶窒化ホウ素)焼結体やダイヤモンドといった難加工材を加工する場合、同じcBN焼結体やダイヤモンドでしか加工手段がないため、難加工材の競合で砥石が早期に摩耗変形するため製品寸法精度を確保することに問題があった。

 今回、同社が開発したレーザーを用いた切削工具の形成技術は、レーザー光を集光することにより、切削工具で加工可能な数十μmより小さな寸法であるμmオーダーの集光径を可能にするとともに、砥石と異なり摩耗もしないため、加工時の調整が不要で安定した加工を行うことができる。

 またレーザー加工では、加工時に生じる加工対象物への外力が加わらないため、歪を与えることなく、加工部位の歪をなくし、寸法精度を確保することができる。これにより、cBN焼結体やダイヤモンドといった難加工材を単純な切断による2次元的な加工だけでなく、奥行きを持った3次元加工をし、自由な形状とともに微細でシャープな刃先を持たせる切削工具を製造することができるようになった。

 今後、開発した技術により、同社のcBN焼結体を用いた小径エンドミルをはじめとする切削工具新製品に応用していく。