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産総研など、軽量で消費電力の少ないナノカーボン高分子アクチュエーター

2.5Vの電圧で駆動中のナノカーボン高分子アクチュエーター:(左)電圧をかける前の状態 (右)電圧をかけた駆動中の状態2.5Vの電圧で駆動中のナノカーボン高分子アクチュエーター:(左)電圧をかける前の状態 (右)電圧をかけた駆動中の状態 産業技術総合研究所は、アルプス電気と共同で、産総研 ナノチューブ応用研究センターらが開発したスーパーグロースカーボンナノチューブ(SG-CNT)を用いて、10万回駆動しても変位量が10%しか減らない繰り返し耐久性、3時間にわたって変位状態をほぼ一定に保てる変位保持性などをもつ高性能なナノカーボン高分子アクチュエーターを開発した。この成果は、 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「低炭素 社会を実現する革新的カーボンナノチューブ複合材料開発プロジェクト」の一環として得られたもの。

 このアクチュエーターは、SG-CNT、イオン液体、ポリマーバインダーであるベース樹脂からなる電極2枚の間に、イオン液体とベース樹脂からなるゲル電解質を挟んだ構造であり、3V以下の電圧で大きく変形する。

 今後は、開発した高分子アクチュエーターの事業化を見据え、応用できるアプリケーションの選定とアプリケーション開発を連携できるメーカーの調査を進めていく。薄く軽く低消費電力である今回開発したナノカーボン高分子アクチュエーターの特徴を生かせるアプリケーションとして、これまでも開発を進めてきた昇降する入力スイッチ、点字ディスプレーなどに加えて、各種イルミネーション分野、マイクロポンプなどのヘルスケア分野など、幅広い分野での応用を検討していく。