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優秀省エネルギー機器発表、経産大臣賞にIHI機械システムの真空脱脂洗浄機

 日本機械工業連合会( http://www.jmf.or.jp/japanese )はこのほど、「平成25年度(第34回)優秀省エネルギー機器表彰」の受賞企業を決定。26件の応募の中からIHI機械システムから申請のあった「蒸気凝縮式真空脱脂洗浄機(エヴァクライオIWV-34C)」が経済産業大臣賞に選定された。

IHI機械システム「蒸気凝縮式真空脱脂洗浄機」 金属加工部品の機械組立には潤滑油や焼入油などを落とす脱脂洗浄が必要である。オゾン層破壊で使用禁止のフロンやトリエタンの代わりに石油系溶剤の減圧蒸気凝縮による真空脱脂洗浄機が普及したが、同等の洗浄性能を得るために大溶剤量(2500ℓ 以上)や大電力消費が必要という課題があった。これらの課題を解決するため、本機では代替フロン系冷媒を用いたヒートポンプ式熱回収システムを用いて100%熱回収して溶剤の蒸留再生を行い、従来必要であった工場循環冷却水を不要とした。その結果、従来機に比べてシャワー液(溶剤)再生量を増加したにもかかわらず総電力消費量を52%低減した。

 加えて、洗浄室と洗浄品を石油系溶剤の飽和蒸気で十分加熱した後にチラー冷却した低温凝縮器を開放しヒートパイプ効果によって乾燥を行うクライオ乾燥システムにより高速乾燥を実現した。クライオ乾燥システムにより乾燥時間を従来機の1/10に短縮するとともに、洗浄力の向上に効果的なシャワー洗浄と乾燥を繰り返すことが可能になり、溶剤保有量が消防法指定容量1/5以下の少量380ℓにもかかわらず従来機以上の洗浄性能を実現した。さらに密閉式ヒートパイプ乾燥は真空ポンプで溶剤を屋外排出することが無いので溶剤消費量を55%低減できる。これらの新技術の導入によりランニングコストを53%低減した。また装置のコストダウンによりイニシャルコストも15%低減している。

 同連合会では、昭和55年度より国の省エネルギー推進政策に呼応して、機械工業の立場からこれを推進するため、省エネルギー効果の著しい産業用機器を開発し、実用化した者および企業その他の団体を表彰する事業を実施している。

 応募のあった機器について、同連合会内に設置した優秀省エネルギー機器審査特別委員会(委員長・中島尚正 東京大学名誉教授)において、慎重な審議を重ね、以下のとおり表彰機器として10件を選定した。

経済産業大臣賞

「蒸気凝縮式真空脱脂洗浄機(エヴァクライオIWV-34C)」IHI機械システム

資源エネルギー庁長官賞

「機械制御式船舶用ディーゼル主機関(6CXB-GT)」ヤンマー

日本機械工業連合会会長賞

「ヒートポンプ式食品乾燥機 (ドライマン)」オリオン機械
「プレートノズル式直管ラジアントチューブバーナ(SRTNシリーズ)」東邦ガス、ナリタテクノ
「低温用集中コントローラ (MELTOUCH)」三菱電機
「斜流型ジェットポンプ式揚砂機(スミジェッターⅡ型)」住友重機械、エンバイロメント
「比例制御ガスバーナ搭載真空式温水機(GTL/GTLHシリーズ)」日本サーモエナー
「業務用ヒートポンプ式衣類洗濯乾燥機(SFS-322HP)」TOSEI、中部電力、関西電力
「3レベル直列多重融合型高圧インバータ(FSDrive-MV1000)」安川電機
「作業モード判別型油圧ショベル(SH200-6)」住友建機