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NTN、携帯性に優れた軸受診断装置を開発

 NTNは、長年培ってきた軸受診断技術を応用し、携帯性に優れる「ハンディ型軸受診断装置」を開発した。

NTN「ハンディ型軸受診断装置」 従来の軸受診断装置は、測定した振動データを装置本体内で計算・分析して出力表示するため、小型・軽量化に限界があり、製造設備やラインの保全担当者が保守・点検時に工具類や書類と一緒に携帯するには大きすぎるという欠点があったという。

 同社が開発した装置は、スマートフォンを用いて振動データをインターネット経由でサーバに送信し、計算・分析する。また、入出力表示もスマートフォンで行うため、コンパクトで携帯性に優れている。

 同システムは、同社販売のアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するAD変換器と、スマートフォンの組み合せで構成される。測定データは、専用アプリをダウンロードした顧客のスマートフォンから固有のIDとパスワードを使って同社のサーバに送信。

 FFT分析(高速フーリエ変換を用いて周波数スペクトルを求め、入力信号を分析・解析する手法)を経て軸受の正常・異常の判定に供され、異常時には軸受の損傷部位の特定が可能。測定結果はサーバに保存されるため、測定履歴をグラフ表示するなど、設備の遠隔からの状態監視に活用できる。データ計算・分析ソフトは、サーバ内で一括してバージョンアップするため、常に最新の使用環境で設備診断できる。

 同社では、今後、特定の顧客で試用を進めていき、モニタリングを行うことでさらに改善を加え、今年中頃に正式販売を開始する予定。