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オリックス、金型の試作や製作を手掛けるアークを買収

 オリックスの子会社であるOPI・11は、金型の試作や製作を手掛けるアークを買収する。アークが発行する普通株式および優先株式に対する公開買付けで地域経済活性化支援機構の保有する株式を取得することにより総議決権の過半数を取得し連結子会社とする。

 アークは、自動車や民生機器業界向けに開発支援サービスを提供する国内大手企業。主要取引先である自動車メーカーなどの新製品開発におけるデザイン、設計、試作などの上流工程から、金型の設計・製造や成形品の生産まで、各メーカーの開発工程におけるESO(Engineering Service Outsourcing)サービスをフルラインで提供している。会社は1968年に設立され、工業用デザインモデルの高い製造技術力を基に、80年代から海外展開を進めてきた。2000年以降は積極的なM&Aを通じて事業規模を拡大し、05年には株式上場を果たした。しかし、リーマンショック後の世界経済の減速を受けて業績が悪化、2011年に支援機構(当時は企業再生支援機構)等の支援を受け、経営管理体制と事業構造の再構築を図り、以降順調に業績を回復している。

 オリックスは、自己勘定による投資事業を手掛けている。これまでにも成長が期待できる産業における高い技術力や成長力を持った企業に投資し、オリックスが持つ専門性や事業プラットフォームを活用し、既存事業のさらなる成長や高度な経営体制の確立など、投資先の企業価値向上につながるさまざまな経営支援を行っている。

 アークにおいても、オリックスが国内やアジアで展開する自動車等のリース事業を通じて構築した主要メーカーとの取引ネットワークや、これまでの事業投資における経験や知見を有効活用することにより、さらなる成長に寄与できるものと考えているという。

 金型は、ものづくりの根幹とも言われ、タイの企業が高い技術力を持つ日本の金型メーカーを買収する事例も出ているが、今回は、技術の流出を避けるためにオリックスが支援に乗り出したものとみられる。