住友電工、焼入鋼の高精度な加工において長寿命を実現するCBN材種

住友電工「コーテッドスミボロンBNC2010/BNC2020」 住友電気工業は、焼入鋼の高精度から汎用的な加工において、従来材種よりも安定長寿命を実現する焼入鋼加工用CBN材種「コーテッドスミボロンBNC2010 / BNC2020」を開発、2014年11月より販売を開始する。

 立方晶窒化ホウ素(CBN)粉末を結合材とともに超高温・高圧力で焼結したCBN焼結体は、自動車部品などに用いられる焼入鋼や鋳鉄などの難削鉄系金属を高速で高精度に加工できる切削工具として、適用領域や用途がますます広がっている。

 一方で近年の自動車産業において、トランスミッションや駆動部に用いられる高硬度の焼入鋼の加工では、工具刃先が高温にさらされ、かつ高負荷が加わるため工具寿命が不安定で短くなりやすく、部品の加工コスト削減が大きな課題となっている。同品はこうした課題に対して、従来材種よりも安定長寿命を実現可能にした商品として開発された。

 BNC2010は、同社独自のPVDコーティング技術を発展させ、新たに開発した3層構造を有する特殊多層コーティング膜を、新開発の炭窒化チタン化合物系結合材を加え焼結したCBN焼結体母材に被覆した。さらに刃先品位を改善することにより、狙いの面粗度で切削加工できる距離を従来の1.5倍以上に伸ばした。同社の焼入鋼高能率加工用 スミボロン「ワンユースワイパーチップWG/WH型」と組み合わせることにより、1.6μmの加工面粗さが要求される高精度加工においても、実用的な加工能率と寿命を実現する。

 BNC2020は、新開発のCBN焼結体母材と同社独自技術であるTiAlN系コーティング膜の界面に新開発の特殊密着層を付加し、さらに刃先品位を改善することでコーティング膜の耐はく離性を大幅に向上した。これにより、負荷の高い断続加工や浸炭除去加工においても、工具寿命の安定化を実現し、刃先が欠損に至るまでの寿命は従来材種比1.5倍以上を達成した。