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スチールプランテック、超高張力鋼板用テンションレベラーが操業開始

製作会社での組立風景製作会社での組立風景 スチールプランテックは、ルクセンブルクのアルセロールミッタル社 リエージェ工場(ベルギー)に、世界初となる超高張力鋼板用のテンションレベラーを納入、このたび同設備の商業運転が開始したと発表した。

 テンションレベラーとは熱延鋼板、冷延鋼板、ステンレス鋼板、アルミ板、銅板、特殊材料板などの材料を矯正して平坦度を向上させ、最終製品として仕上げる装置。矯正対象材の範囲は、板厚が0.05mm~8.0mm、板幅が300mm~2300mm、降伏強度が50MPa~1500。1970年から独自の試験装置によって各種材料のテストが実施され、理論構築と実機の納入が繰り返されてきた。スチールプランテックは、現在までに全世界に194台を納入したテンションレベラーのトップメーカー。

 自動車業界ではCO2排出削減・燃費向上のため車体の軽量化を推進しており、アルセロールミッタル社においても軽量化に大きく寄与する自動車用超高張力鋼板の技術開発を進めていたが、鋼鈑の強度を上げるに従って平坦度が悪化するという問題の克服が課題となり、抜本的な対策を模索しいたという。

 スチールプランテックでは、こうした課題の解決を高性能テンションレベラーの利用により実現することを提案、同社の持つ豊富な経験とノウハウを投入し開発を進めてきた。そして、冷延鋼板では世界最大の張力980kN(100tonf)を実現することで、求められる矯正性能の達成に目途をつけ、アルセロールミッタル社より同設備を受注するに至った。

 同設備は昨年建設工事を終了して、このほど商業運転を開始、これまで困難であった超高張力鋼板の矯正に期待通りの性能を発揮したという。