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トヨタ自動車、メキシコで新工場を建設、中国で生産ラインを新設することを決定

 トヨタ自動車は、メキシコで新工場を建設し、中国で生産ラインを新設することを決定した。今回、メキシコ新工場・中国新ラインともに、「シンプル&スリム」、「フレキシブル」をキーワードに、伸縮自在ライン、床置き可能な小型設備のほか、コンパクトな塗装ブースなど、革新的な生産技術を可能な限り盛り込むと同時に、安全で環境に優しい工場づくりに取り組む。これらの投資は、単なる「量を求めた工場づくり」から「競争力のある新しい工場づくり」に発想を大きく転換するものであるという。

 同社はこれまで、あえて工場の新設を凍結し、既存工場の能力を最大限有効活用する取り組みやモデル切り替え時の設備投資額の低減を進めるとともに、工場投資の画期的な低減策の策定などを推進してきた。その結果、既存工場の稼働率はグローバル全体で90%を超えるまでに向上したほか、工場の建屋や設備を中心とする初期投資部分については、2008年当時と比較して約40%低減できる目途がつきつつある。

 同社は、今後の世界の自動車市場の安定的な成長を見込む中、既存工場の能力の使い切りが着実に進んでいること、新たな生産技術の革新に目途がつきつつあることを受け、これらの技術を実際のラインに導入することでさらなる技術革新に繋げることなどを目的に、今回の決定を行った。

 豊田章男社長は、「今回の新工場や新ラインは、トヨタの知恵と工夫を結集したものになる。トヨタは単なる『量を求めた拡大』と決別し、『もっといいクルマづくり』やそれを支える人材育成を通じ、持続的成長を図っていく必要がある。今回の取り組みは、トヨタの真の競争力強化における重要な試金石となる」と述べた。