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新東工業、電子回路基板用の新方式プレス装置開発

新東工業「真空ロールプレス CYPRV」 新東工業は、積層された電子回路基板などのフィルムを高速で貼り合わせる「真空ロールプレス CYPRV」を開発、販売を開始した。同社がこれまで鋳造、表面処理などで培った技術を応用したという。

 同装置は、裁断済みの積層フィルムを1 セットずつ専用治具にセットする方式を採用。専用治具がフィルムとフィルムの間だけを真空状態にしたうえで、ロールにより圧着する。その結果、真空化処理が短時間で済み、タクトタイムが向上した。

 また、従来の真空プレス装置は、加圧やそれ以降の工程で、数十セットのフィルムを一度に処理していた。同装置は各工程を1セットずつ施すため、積層フィルム1セットごとの加工条件が安定化し、高精度な処理が可能となる。さらに、ワークの加熱や冷却には別々の装置を用い、余分なエネルギーを使用しないため、消費電力が従来比約1/3に削減された。装置は加工ワークに応じて3種のサイズを用意している。

 近年、ウェアラブル端末やスマートフォンなど小型電子機器の普及に伴い、電子回路基板の多層化が進んでいる。そうした基板を作る際、基板を構成する積層フィルムを真空下で圧着させるプレス工程には、速く・正確に貼り合わせる需要が高まっているという。こうした需要に応えるため、同社は新方式を採用した同装置を開発した。今後、電子回路基板以外にも、燃料電池、半導体チップを収納するセラミックパッケージ、各種多層フィルムなどの市場に投入していくという。