NIMSと日立金属、次世代超耐熱合金の実用化研究を行う開発センター設立の覚書に調印

 物質・材料研究機構(NIMS)と日立金属は、次世代超耐熱合金の実用化研究を行う「NIMS-日立金属次世代材料開発センター」設立に関する覚書を調印した。

 同センターでは、世界最高レベルの研究水準を有するNIMSの材料開発力や材料解析技術と、高機能材料メーカーである日立金属の高い製品開発力や生産技術を融合させることで次世代超耐熱合金の実用化研究を進める。また、そこから得られた研究成果を航空機エンジンやガスタービン向け金属材料に活用することにより、省エネルギー化の推進に寄与する。

 NIMSは、化石燃料消費削減、CO2排出量削減を目指し、独自の合金設計により、発電ガスタービンやジェットエンジンのタービン翼用Ni基単結晶超合金およびタービンディスク用Ni基鍛造超合金の研究開発を行ってきた。単結晶超合金では耐用温度1100℃を超える材料を開発し、航空機ジェットエンジン材料として実用化されている。さらにNIMSは、従来の材料を耐用温度で50℃以上上回り、700℃以上で使用可能なディスク用鍛造超合金の開発に成功した。この材料を実用化することで航空機エンジンや発電ガスタービンの多大な高効率化を見込むことができる。これまでNIMSは日立金属と共同で鍛造プロセス研究を行ってきており、同センターにおいてさらに実用化に向けて開発を加速する。

 また、国土強靱化、産業競争力強化に寄与する構造材料の革新的なシーズの創出とその産業界への橋渡しのためのハブ拠点として、平成26年10月1日に構造材料研究拠点を設置した。約100名のNIMS研究者が集結し、最先端設備を用いて、連携体制でシーズの社会実装を推し進めている。

 日立金属は、航空機・エネルギー材における成長戦略を展開し、グローバル市場で成長を目指している。その一環として、2011年に日立金属と神戸製鋼所等と日本エアロフォージを設立した。油圧式では世界最大級の5万トンとなる最先端の型打鍛造プレスを保有しており、航空機向けなどの大型鍛造品の製造を行っている。また、2014年には日立金属MMC スーパーアロイを子会社化し、航空機・エネルギー材事業において材料から鍛造までの一貫生産体制を強化してきた。

 近年、市場環境や市場ニーズは刻々と変化しており、これまで以上に早いスピードでイノベーションが求められている。NIMS-日立金属次世代材料開発センターの開設により、オープンイノベーションをより強化し、市場の変化を先取りした製品、ソリューションを生み出していくという。