エボニック、ガス分離膜でリンデとの連携を強化

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 エボニック インダストリーズは、9月30日にシェルフリング(オーストリア)で開催された同社メンブレン生産工場拡張のための起工式において、メンブレンのガス分離膜の分野でリンデグループと連携を強化する構想を発表した。

 提携の主眼はエボニックのポリマーベースの分離膜技術で、この技術はリンデのエンジニアリング部門のガス分離および精製プラントで使用されることになり、リンデはすべてのガス分離プロセスを自社内で完結できるようになる。エボニックのセプラン膜は、より高いガス選択性や高い生産性により、混合ガスからメタン、窒素、ヘリウム、および水素などのガスを高純度・高効率的に分離できる。

 リンデのエンジニアリング部門である吸着および膜プラント製品ラインの最高幹部トビアス・ケラー氏は「エボニックの高いガス選択性を誇る分離膜と、世界一流の吸着技術に代表される当社の他の確立されたガス分離技術が一体化することで、当社は、より効率的な新規の精製プロセスに関して、非常に柔軟に展開・応用できるようになる。これにより、我々はプラントのライフサイクル全体にわたるガス分離技術のリーディングカンパニーとしての地位を強化しつつある」と述べている。

 エボニックのファイバー・メンブレン&スペシャリティプロダクトラインのアクセル・コブス氏は「両社の提携から生じる相乗効果は明らかで、我々のポリマーと技術に関する多くの専門知識を強力で広範な膜製品ポートフォリオに変換することで、プラントエンジニアリングとガス分離におけるリンデの高い専門知識を完璧なものにするだろう。この提携は、ガス分離の新たな市場を共同開発するための理想的な状況をもたらす」と述べている。

 エボニックとリンデの提携による事業は本年8月に立ち上げられ、すでにカナダ・マンコタのヘリウム精製プラントで実績が得られている。同ヘリウム精製施設は、膜と圧力スイング吸着(PSA)技術のハイブリッドプロセスを使用。粗製ガス25万m2/日を精製処理し、99.999%の純度の工業用品質のヘリウムを生産している。

 国際的なプラントエンジニアリング事業のリーディングカンパニーとして、リンデエンジニアリングは、世界中に4,000を超えるプラントを提供してきた。一方、エボニックのリソースエフィシエンシーセグメントの高性能ポリマー事業ラインは、広範な分野で新たな資源効率の高い開発を可能にする高性能ポリマーを、50年以上にわたって開発・生産している。
エボニック精製プラントカナダのマンコタにあるヘリウム精製施設の一部(膜)(提供:リンデグループ)