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第14回新機械振興賞、マツダの「心地良いサウンドを実現するエンジン主運動系減衰技術の開発」が経産大臣賞

 機械振興協会は、機械工業にかかわる優秀な研究開発およびその成果の実用化によって機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業などを表彰する「第14回新機械振興賞」を発表、マツダの「心地良いサウンドを実現するエンジン主運動系減衰技術の開発」が経済産業大臣賞を受賞した。

 同社のクリーンディーゼルエンジンはクリーン、パワフル、エコノミーという特徴を高い次元で達成し、従来のイメージを一新している。しかし、ディーゼル特有の“がらがら”というノック音は改善されておらず、他のイメージアップ要因との対比からクローズアップする傾向にある。同社では、世界で初めてノック音を打ち消すための動吸振器を、ピストンピン内部に組み込み、ノック音の改善に成功した。

 また中小企業庁長官賞は、CYBERDYNEの「下肢運動機能を改善するロボット新医療機器」が受賞。運動中枢や神経系を損傷して運動機能障害がある患者に対し、皮膚表面の微弱な生体電位信号による随意的制御と、姿勢や重心等の動作情報の処理による自律的制御とを組み合わせた運動機能を改善・再生するための新医療機器を開発した。運動機能障害のある患者に装着するため、高い安全性と信頼性を満たした上で、確かな医学的な効果が求められる。2013年に欧州では医療機器認証を取得し、ドイツでは本装置を用いた治療が公的な労災保険の適用となっている。日本でも医療機器として出荷が可能で、米国でも承認に向けた作業を行っていることから、世界に先駆けた実用化となる。

 機械振興協会会長賞は、アイシン軽金属、日本装置開発「生産現場用高速CTスキャンシステムの開発」、アイセル「低振動・低伝達誤差・低資源の高性能軸継手」、JFEスチール「表面処理鋼板の非接触通板制御装置」、デンソー、デンソーエアクール「間接外気冷房併用型ハイブリッドクーラー」、本田技術研究所「タイヤ気柱共鳴音低減デバイスの技術進化」、マトヤ技研工業「食用畜肉の除毛装置(豚足脱毛機)」の6件が受賞した。また審査委員長特別賞には、トヨコー、光産業創成大学院大学「レーザー光による塗膜除去装置」が選ばれた。