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愛知製鋼、次世代自動車用放熱部品の生産能力倍増を決定

 愛知製鋼は、HVやEVなど次世代車に不可欠なインバータ用放熱部品である「パワーカードリードフレーム」の生産能力倍増を決定し、同社岐阜工場(岐阜県各務ヶ原市)内に新生産棟建設を開始した。

 これはHVやEVなどエコカー需要の急拡大に対応するためであり、また増産ラインの設置場所を岐阜工場内としたのは、地震や津波など災害時のBCPの一環として、知多工場と岐阜工場の2拠点での生産体制を構築し、顧客への供給継続体制を確保するためである。

 HVやEVなど、電気を動力として使用する車のパワー・コントロール・ユニットには、モータの電力制御などを行うパワーカードが搭載されている。その主要構成部品である「パワーカードリードフレーム」は、部位によって厚さが異なる異形断面形状の銅板を高精度にプレス加工し、数μm厚の均一なニッケルめっきや部分的に金めっきを施した、複雑形状の接点・放熱部品である。

 同社は、2007年に知多工場(愛知県東海市)内の電子部品工場で高級HV向けに「パワーカードリードフレーム」の生産を開始した。同社の鋼技術で培った精密プレス技術と機能めっき技術を融合させた一貫生産を実現し、2015年には同工場に生産ラインを増強した。現在、同社の「パワーカードリードフレーム」は、HVの最新車種やPHV、FCVなどにも搭載されている。

 岐阜工場の新生産棟は2017年12月完成予定で、新生産ラインは2018年10月の稼働を目指す。

愛知製鋼「パワーカードリードフレームと新生産棟完成イメージ図」