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東洋炭素、SiCコーティング黒鉛製品生産設備を増強

 東洋炭素は、シリコンウェハーの製造工程やLED製造工程などのエレクトロニクス分野に用いられるサセプターをはじめとするSiCコーティング黒鉛製品の旺盛な需要に対応するため、東洋炭素生産技術センター(香川県観音寺市)に生産能力増強に向けた設備投資の実施を決定した。

 同社の高機能材料事業は、Si半導体、SiC半導体、LED分野向け半導体製造装置用構造部品など、エレクトロニクスの進展に欠かせないSiCコーティング黒鉛製品の製造と販売を手掛けている。

 近年、IoT化に伴うセンサーの活用やビックデータ化、そして自動車の電子システム化の普及にともない、SiCコーティング黒鉛製品の需要が高まっている。なかでも照明用のLEDは、技術の発展により大光量化が図られ、放熱性や低電力に優れていることから、家庭用や車載用への採用が進んでおり、LED分野全体としては、2020年までに年率成長率25%の増加(同社調べ)が見込まれている。

 こうした中、同社は、グローバル成長戦略の一環として、これら足もとの高機能材料の旺盛な需要に応えるとともに将来の半導体市場全体の需要も見据え、東洋炭素生産技術センターに約25億円の設備投資を実施する。

 今回の設備投資では、新たにSiCコーティング製造工場を建設するが、単なる増産対応にとどまらず、先を見据えた自動化設備を積極的に取り入れるなど、品質と生産性の向上を図ることで、生産効率を大幅に拡大することにより、2020年度にはSiCコーティング黒鉛製品全体の生産能力を約1.5 倍(2017年度比/LED用途は3~4倍)に増強する。
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