第07回 国産航空機の量産化に向けて?哨戒機が納入

 川崎重工業が、開発中の次期哨戒機「XP-1」試作機1号機を防衛省に納入した。提供:川崎重工業提供:川崎重工業受注している2号機も年内に納入予定とのこと。大型機開発は、1970年に初飛行した輸送機C1以来となる。海上自衛隊では現在運用中のP-3C哨戒機80機をすべてXP-1に置き換える方針。XP-1は航続距離(8,000km)など性能が向上しているため、約70機で作戦能力の維持が可能としている。XP-1は、P-3Cを多少大きくした4発ジェット機で、長さ38m、翼幅35m、全備重量80t、高速飛行(830km/h)のため主翼尾翼は後退翼になっている。

 哨戒機は、海上をゆっくり飛びながら不審船を発見したり海中深く潜航する潜水艦の動きを監視する役割をもつ。北朝鮮や中国の軍事力の脅威が言われるなか、防衛省は高性能次世代哨戒機の国産化機を決定、2001年度から川崎重工業が主契約企業となって開発に取り組んでいた。

 哨戒機は役割上、飛行性能、レーダー探知性能などに加え、静音化が求められる。このためIHIが開発したエンジン「XF7」は、低燃費で低騒音仕様。エンジンの騒音は、P-3Cに比べて、巡航出力で10dB程度、離陸出力で5dB程度低減している。

 航空機エンジンの低騒音化には、ファン騒音とジェット騒音の低減へのアプローチがある。ファン動翼は高い空力性能と低騒音化を併せ持つようベース動翼の翼先端側を前方に傾斜させた形状の「スウェプト動翼」としたことで、動翼前縁に生じる離脱衝撃波を弱め、ファン騒音で支配的なバズソー音を低減したという。また、排気ノズルの出口形状をギザギザにしてジェットの混合を促進させる「シェブロンノズル」に対し、排気ノズル形状をシンプル化(周方向5ヵ所に三角形状の小型ミキサを配置)した「ノッチノズル」にして推力を低下させることなくジェット騒音を低減している。

 このほか、問題となったベアリングの耐久性向上に対しては、保持器の形状改良などで対応がなされているという。

 川崎重工業ではこれを機に、機体の強度不足などで開発が遅れている、次期輸送機で民間転用の本命とされる「CX」の開発も急ぐ構えだ。