第10回 燃油高騰で自転車販売好調

 ガソリン高騰などに伴う維持費の負担増から自動車を手放す層が増えてきている一方、代わって維持費の負担が少なく環境にも健康にもよい自転車の販売が好調という。自転車協会の調べでは、07年まで9年連続で前年割れだった国内出荷台数が、今年は1?6月で前年同期比11%増えた。通勤での使用も増えていることから、特に人力の負担を軽減する電動アシスト自転車の伸びが大きい。

 周知のとおり、スポーツ自動車のスピードアップ(まくり?)、トルク伝達にはギヤチェンジの技術が利用される。ペダルに直結したチェーンホイールのチェーンリングから、駆動トルク(回転力)がチェーンを通じリヤホイール(フリーホイール)のスプロケットに伝わり自転車が進むわけだが、チェーンリングの歯数とスプロケットの歯数との比率(ギヤ比)がキーになる。たとえば歯数40のギヤと歯数20のギヤをつなげば、チェーンホイールが1回転したときのフリーホイールの回転数は2倍になる。動力は、図中左のチェーンリングから右の後輪スプロケットに伝わり、回転数がアップするつまりギヤの特性として、ギヤ比が高いほどフリーホイールの回転数は高くなるが駆動トルクは低下するため、坂道などでクランクを回す脚への負担は大きくなる。

 これに対し電動アシスト機構では、坂道などで人が踏み込む力が強くなると、トルクセンサーが踏力を検知してアシスト量を決定、電動モータによりアシスト力を発生させる仕組み。たとえばパナソニック サイクルテックのスポーツ電動アシスト車「ハリヤ」のモータユニットは、ヤマハ発動機と三洋電機が共同開発したリチウムイオン電池を使いモータ効率を高めている。10°くらいの急勾配でもトップで登るくらいのパワーが出せ坂道を時速17?18kmで走れるというから、普通の自転車に比べるとかなり速い。ケーブルなどをフレーム内に収めアシスト機構(モータユニットも小さくまとめてあるため、電動アシスト車に見えず、ロードレーサーやマウンテンバイクをすいすい追い抜いて驚かれることも多いという。提供:パナソニック サイクルテック

 国内で電動アシスト車をはじめ自転車の販売が好調な一方で、自転車政策の遅れが目立っている。人口当たりの自転車保有台数(02年)はオランダが1位で0.9人に1台、2位のドイツは1.3人に1台、日本は1.5人に1台で3位なのに、全国の道路のうち自転車が専用に走れる道路の比率はオランダの17%、ドイツの5%に比べ、日本は0.2%(全国120万kmのうち約2,660km)に過ぎない。道路交通法で車道走行が原則とながらの専用道の整備の遅れが、歩行者との衝突事故などの急増につながっている。国土交通省は思わぬ「事故」でトップ不在のようだが、自転車先進国としての政策整備を急いでほしいものだ。

※自転車が専用に走れる道路には、「自転車専用道路」のほか、車道の一部を縁石などで区切った「自転車道」、白線などで色分けした「自転車レーン」がある。