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第27回 バイオ燃料の市場が拡大へ?求められるバイオ対応技術

 石油業界がこの4月からサトウキビやトウモロコシなどから作るバイオエタノールとイソブテンを合成したバイオETBE(エチルターシャリーブチルエーテル=エタノール)をガソリンに混ぜた、バイオガソリンの販売を本格化させる。

 日本は、1997年に締結された国際条約「京都議定書」で2008?2012年(第一約束期間)には1990年との対比で「温室効果ガス」の排出量を6%削減することとしている。京都議定書では、植物を原料とするバイオ燃料を燃焼させた場合には、次世代の植物が光合成によってそれを吸収して育つため、大気中のCO2の総量を増加させないという考え方(カーボンニュートラル効果)から、バイオ燃料の燃焼によって排出されたCO2を温室効果ガス排出量として計上しないことにしている。

 そこで石油業界では、2007年4月27日から首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)50箇所の給油所で一斉にバイオETBEを3%配合したレギュラーガソリン(バイオガソリン)の試験販売を開始、2008年春からはその数を順次100箇所に増やし、本格導入に向けた取組みを進めていたが、2010年度にはETBEの使用量を08年見込みの約80倍となる84万kLに増やす目標を掲げている。

 一方、食用油や廃食用油にメタノールを加えて作った脂肪酸メチルエステル(FAME)が、軽油代替のバイオディーゼル燃料である。ゴミ収集車や路線バスの燃料として自治体を中心に使われている。全国バイオディーゼル燃料利用促進協議会(JAROA)によると、2007年度の国内生産量は約6,200kLだが、自家用に生産する事業者もありこの自家消費も含めると国内生産は約1万kLにのぼるという。

 バイオディーゼル燃料をそのまま使う「B100」では自動車の部材の腐食や燃料系統の目詰まりを引き起こしやすいことから、2006年3月の揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)改正で、バイオディーゼル燃料をの混合比率を5%とした軽油(B5)の品質規格が定められているが、東京都では2007年から混合比率10%のバイオディーゼル燃料(B10)によるハイブリッドバスの試験運転も始めている。

 潤滑油協会(JALOS)が、自治体、運送業、バス会社などバイオディーゼル燃料を保有する事業所を対象に調査したエンジン油の使用状況の実態調査(2007年)では、何とB100が圧倒的に多く、品確法規定のB5はわずか。JALOSによる台上エンジン試験結果では、FAMEのB5軽油を使用したエンジン油劣化への悪影響確認されず、使用実態の調査結果でもエンジン油の交換間隔は3万kmまたは6ヵ月と一般軽油と同等だったのに対し、B100を使った車両のエンジン油交換間隔は5,000km前後が多くを占め、長くても1万kmだった。

 同調査では軽油との違いとして、その弱いスス生成傾向から排気煙(黒煙の発生)が良好という意見が多い一方で、主にB100で出力の悪化やエンジン始動性の悪化、さらに燃料フィルタの詰まりやインジェクタの詰まり、エンジンの異常、特にピストンリング周りの異常などが挙がったという。

 ディーゼルエンジンは国内ではトラックなどの長距離運行、バスなどの高頻度運行に使われ、その燃料とエンジンを保護するエンジン油には高信頼性とロングライフ性能(酸化安定性)が求められる。部品・材料へのニーズも同じである。特に欧州ではディーゼルエンジン乗用車、さらには混合比率の高いバイオディーゼルを使った乗用車の割合も高まってきている。将来的には、欧州市場、ひいては世界市場の攻略では混合比率の高いバイオディーゼルへの潤滑油やエンジン部品、シール材などの技術対応が強く求められるであろう。世界的に政策的に広がりつつあるバイオ燃料という市場に対して、メカ技術の研鑽に期待がかかっている。