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IHI、国交省から国内最大規模の河川ゲートを受注

 IHI( http://www.ihi.co.jp )はこのほど、国土交通省北陸地方整備局から、新潟県燕市の大河津分水に建設される大型水門である大河津可動堰改築ゲート設備を受注した。同社では大河津分水に2000年に大河津洗堰を納入しており,それに続く大型工事受注となる。本工事はWTO総合評価落札方式の中でも技術提案範囲が大きい、高度技術提案型で入札が行われ、IHIの技術力が高く評価された。受注金額は歴代水門史上最大規模の約70億円、引渡し時期は2011年 8月の予定。

 今回建設される新可動堰は、ゲート幅が約40mと非常に大きいため、桜の名所100選に選ばれている大河津分水周辺の景観との調和を考慮し、構造・維持管理・経済性などを発注者が総合的に検討した結果、河川ゲートとしては2例目となるシェル構造ラジアルゲート形式(扉体の断面がシェル・表面が円弧状で、その曲線の中心を軸として回転することによって開閉する構造)を採用している。本ゲートは河川用ラジアルゲートとして日本国内最大の径間および扉体面積であり、日本最大級の油圧シリンダで駆動する。

 新潟県を流れる信濃川は、かつて度重なる水害によって越後平野に壊滅的な被害を与えてきた。この被害をなくすために作られたのが大河津分水で、大河津分水にはIHI製の旧可動堰(1931年完成) と、洗堰(1922年完成、2000年改築)が建設されており、可動堰と洗堰が一体となって信濃川の流量をコントロールしている。新可動堰の建設は、完成から約75年が経過した旧可動堰の老朽化による、堰の劣化や洪水時における流下能力の不足などの問題を解決するために、決定された。IHIの国内外の水門建設での納入実績は4000門以上。

 水門の概要は以下のとおり。

(1)形式:シェル構造ラジアルゲート方式

(2)寸法:調節ゲート幅37.95m×高さ6.4m 4門、制水ゲート幅37.95m×高さ6.7m 2門

(3)開閉装置:油圧式シリンダ