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日立、中国で無線通信使用の列車制御システムを受注

 日立製作所( http://www.hitachi.co.jp )はこのほど、中国の鉄道関連建設企業と共同で、重慶市軌道交通総公司から、重慶市軌道交通3号線の列車制御システムを受注した。今回受注した列車制御システムは、地上装置5セットと車上装置19編成分で構成され、地上装置と車上装置間の通信には無線を使用する。日本メーカーが無線通信を使用した列車制御システムを海外で受注するのは、今回が初めて。

 中国では、社会インフラの整備が急速に進展、現在約40都市でモノレールや地下鉄等の都市交通システムの新設が計画されている。重慶市3号線は、中国南西地方の中核都市として人口約3,100万人を擁する重慶市の中心街を南北に縦断し、市北部に位置する国際空港までを結ぶ全長約60km・40駅(重慶市計画)の路線。本路線では、2005年6月に運転開始した重慶市2号線で実績のある跨座型モノレールが採用され、2010年末の運転開始をめざして建設が進められている。

 今回日立が受注した列車制御システムは、重慶市3号線の第1期工事分にあたる約20km・18駅の区間で使用されるもので、地上装置5セットと車上装置19編成分で構成される。本システムでは、地上装置と車上装置間の通信に無線LANなどで用いられている ISM帯(Industry-Science-Medical Band)を使用した「CBTC(Communication-Based Train Control system)」と呼ばれる列車制御システムを採用。ISM帯を用いたCBTCは、海外の都市交通分野において国際的な標準になっており、軌道回路*2を用いる従来のシステムに比べ、コスト面やシステム構築の柔軟性に優れている。

※ISM帯(Industry-Science-Medical Band):半導体装置や電子レンジなど、主に産業・科学・医療等の用途に使用されている電波周波数帯。ISM帯には、一般的に2,400MHzの周波数帯が使用されている。

※軌道回路:線路上の特定区間に列車が存在するかどうかを検知するための軌道(レール)を用いた電気回路。