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『機械設計』、吉武立雄氏の連載「ピラミッドとトライボロジー」が開始

 海外軸受技術研究グループの吉武立雄氏による新連載「ピラミッドとトライボロジー―巨石を運んだのはすべり軸受か、ころ軸受か―」が『機械設計』(日刊工業新聞社刊、 http://pub.nikkan.co.jp/mgz/sekkei/ )3月号から始まった。

 連載第1回のテーマは「ピラミッドはどのような方法で建設されたのか」。全体の高さ146.6m、底辺230.4mで、平均2.5tの石を270万?280万個積み上げたと推算されるエジプト・ギザの大ピラミッド。著者は、ヘロドトス『歴史』の記述などを引用しながら、階段利用にせよ傾斜路利用にせよ、巨石がそりを使って運ばれ、持ち上げられたと考える。わが国を含む世界の巨石文化とそり(や修羅)の使われ方などの紹介もまじえ、そりに用いられたのが、すべり軸受か、ころ軸受かの謎に迫っていく。

 連載では以降、以下の内容を予定している。

第2回(4月号 3月10日発売)
(1)古代エジプトの巨像運搬の壁画の発見と復元のあゆみ
(2)壁画所在地の地理と環境

第3回(5月号 4月10日発売)
(1)壁画に描かれているもの
(2)ころが用いられたのか

第4回(6月号 5月10日発売)
(1)注がれている液体は潤滑剤なのか
(2)摩擦係数をめぐってのさまざまな計算
(3)シュヴリエの実験
(4)テイの墓の壁画、像を牽引するひとの数が多すぎる?
(5)日本におけるそり(修羅)の運搬実験

第5回(7月号 6月10日発売)
(1)さまざまな国における実験結果
(2)ロープの強度にもとづく考察
(3)古代エジプトの超重量物運搬の例
(4)そりは地面のうえを滑った
(5)牽引に必要な力は路面の状態に依存する

第6回(8月号 7月10日発売)
(1)クーロンの摩擦の法則はそりの実験から生まれた
(2)ころがり軸受の潤滑油と摩擦トルク
(3)おわりに