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第38回 モーション・エンジニアリング展開催、機械の性能向上と長寿命化を支える機械要素

 日本能率協会( http://www.jma.or.jp )は4月15~17日、千葉・幕張の日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で駆動・伝達・制御に関する専門技術展「第18回モーション・エンジニアリング展」を開催した。今回は78社・学校/193小間の規模で出展、来場者数は1万1,509名だった。

 メカトロニクス・エレクトロニクスの要素技術・関連製品の総合展示「TECHNO-FRONTIER 2009」の一つとして開催される同展では、転がり・すべり軸受や直動転がり案内、すべり案内、ベルト、チェーン、変速機、クラッチ、ブレーキ、シールなどの最新技術・製品が多数展示された。特に技術に着目すると、産業のニーズがうかがい知ることができる。

 ベアリング関連の技術を見てみよう。たとえば今回ジェイテクトがdmn値100万に対応できる高速モータ用玉軸受のための樹脂保持器を出展した。転がり軸受のボールを保持する保持器には、金属よりも自己潤滑性が高い樹脂(エンジニアリングプラスチックス)が使われている。しかし樹脂性保持器では、高速回転中の発熱により剛性が低下するとともに、遠心力が加わることでクリープによる変形寸法が大きいという課題があった。

 これに対し同社では、ポリアミドイミドとポリフェニレンスルフィドのアロイ材に強化繊維として炭素繊維を適用することで200℃の高温・高速回転下で使用できる材料を開発、さらに変形の解析結果をもとに、開口側爪内径側に傾斜させることでボールとポケット面の接触による偏摩耗を抑制するとともに、PCDとポケット(ボールの保持部)径の最適化で保持器と内輪・外輪の接触を抑制している。この形状から、グリースの飛散を防止し潤滑性も向上する。ハードディスクドライブなどのファンモータなどでは、そうした高温・高速下での信頼性向上に加えて、樹脂本来の長所である長期的な騒音低減にも役立つという。

 また、NTNは昨年グループ企業となった仏SNR社との共同開発となる内径8?の「小型回転センサ付軸受」を展示していた。回転角度最大0.47° (軸受型番608の場合:760パルス/回転)の回転検出が可能で、事務機器の小型・軽量化や高精細化、回転制御機器の省エネルギー化などに貢献するもの。

 小型センサの技術は、機械・装置の省スペース化と稼動の信頼性を実現する。併せて出展していた「磁気式鉄粉センサ」はベアリング製品とは独立した技術である。現状、自動車トランスミッション付近のオイル中の摩耗粉を監視する用途で提案中という。つまりトランスミッションの異常摩耗などを見るわけだ。間接的にはオイルの劣化が進めばベアリングにも悪影響を及ぼすため、機械の血液であるオイル管理の省スペースのシステムといえよう。

 産業の米と言われるベアリングを支える材料・設計技術、センサなどの周辺技術。機械・システムにおいて高速・高温・高圧など使用条件が過酷化する一方で、環境面・コスト面などからメンテナンスフリーのニーズは高い。そこでの信頼性を向上するのがベアリングなどの機械要素であり、それらを支える基礎技術の開発からも目が離せない。