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三菱自、アイ・ミーブ公表、7月下旬より国内投入



 三菱自動車は、世界環境デーとなる6月5日、"クルマ社会の、次の100年の扉を開くパイオニア"として、量産型の新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を公表し、本年7月下旬より国内市場に投入する。



 「i-MiEV」は、三菱自動車における約40年の電気自動車技術の集大成。環境汚染、地球温暖化、石油エネルギーの枯渇など、自動車が直面する課題に対応する究極の環境対応車として市場投入するものであり、今後、国内・海外の様々な企業・行政とも幅広く協力しながら、電気自動車の普及を推進していく。



 2009年度の販売台数は、法人ユーザーや自治体などを中心に約1,400台を見込み、メンテナンスリース(車両費用に加え、税金、保険費用、整備費用の一部などの車両維持管理費が含まれるリース)を基本に販売する。一方、個人向け本格販売については2010年4月より開始する計画で、2009年7月下旬より受付を開始する予定。



 「i-MiEV」は、リヤ・ミッドシップレイアウトの「i(アイ)」の特長であるロングホイールベースを生かし、大容量の駆動用バッテリーを床下に、パワーユニットをラゲッジルーム下に搭載。これにより、日常での使用に充分な航続距離の確保とベース車と同一の居住スペースやラゲッジスペースを両立した。



 また、長年の電気自動車に対する研究開発から得られたノウハウを注ぎ込んだ高度な車両統合制御技術「MiEV OS(MiEV Operating System)」を導入することで、新世代の電気自動車にふさわしい高性能・信頼性を実現した。



 駆動用バッテリーは、リチウムエナジージャパン製のエネルギー密度の極めて高いリチウムイオン電池を搭載。計88個の電池セルを直列に接続した、大容量の駆動用バッテリーを車体床下中央に配置。低重心化による優れた操縦安定性も実現した。モーター(パワーユニット)は、小型・軽量・高効率な永久磁石式同期型モーターを専用開発。発進時から最大トルクを発生し、軽快でトルクフルな走りを実現した。減速時には、回生ブレーキ機能により、モーターを発電機として働かせることで、回収した電気を駆動用バッテリーに充電する。



 トランスミッションでは、複雑な変速機構を必要としないモーター特性を生かし、変速を1段に固定した軽量・小型のトランスミッションを採用した。車載充電器は、家庭用AC200V/ AC100Vでの充電を可能にする小型・軽量の車載充電器を採用した。



 そのほかの主な特徴は以下のとおり。



1.走行中のCO2排出ゼロ
・走行中、CO2を含めた排出ガスを全く発生しない"ゼロエミッション車"である。
(発電時のCO2排出を含めても、「i」の約1/3のCO2排出量:日本の平均的な電力構成をもとに三菱自動車が試算)



2.100%電気で走る
・電気だけで走行するため、経済的であり、さらに、電力会社が提供する料金プランによっては、夜間の充電により、さらに電気代を抑えることも可能となる。



3.静かでキビキビ、快適な走り
・エンジンを搭載しない電気自動車ならではの静粛性と快適な走りを実現。また、応答性に優れ、低速から高いトルクを発生する電気モーターの特性を生かし、「i」のターボエンジン搭載車を上回る、レスポンスの良い力強い走りを可能とする。



4.日常ユースに十分な走行距離
・一充電走行距離は10・15モードで160km。日常ユースに十分対応できる走行距離を確保した。



5.3つの充電方法
・自宅でも外出先でも充電できる3WAY充電システムを採用。AC200VおよびAC100V の一般用コンセントから手軽に充電ができる普通充電(標準装備の充電ケーブルを使用)と、今後各所で設置が進む急速充電器での急速充電にも対応した。

i-MiEV「システム構成図」