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第57回『プリティ・ウーマン』

 企業買収を繰り返す若手事業家のエドワード・ルイス(リチャード・ギア)はロータス エスプリ ターボSEに乗って道に迷い、ストリート・ガールのビビアン・ウォード(ジュリア・ロバーツ)にハリウッドのホテルまでの案内を頼んだ。なぜかビビアンに興味を覚えたエドワードは彼女を自分のスイートに留め、1週間自分のアシスタントとしていてほしいと頼む。エドワードに同伴して社交の場に出るうちに、ビビアンは華麗なドレスを着こなし『マイ・フェア・レディー』のように洗練されていくが…。

 エドワードがビビアンに興味を覚えたのはロータス エスプリ ターボSEの車中だろう。ホテルまでロータスを運転したのはビビアンだ。足が小さい女性にはロータスのアクセルとブレーキが近い位置にあるのが運転しやすいと言い、2.2L水冷直列4DOHCICターボでハリウッドの街中を飛ばし、コーナーさばきを見せ、ホテルにドリフトで横付けする。このロータス エスプリ ターボSEはこの映画が作られた1990年に発売されている。ある種のコラボだろうか。

 このロータスと並んで物語に関わるメカは、何度か登場する非難はしごだろう。アメリカの築年数の古いアパートでは避難階段などが設置されていないため、必ず窓から非難はしごなどで脱出できるようにしている。家賃を滞納しているビビアンは、大家に気づかれないようチェーンをガラガラやって非常はしごを階下まで伸ばし、窓から外に出る。最近の非常はしごでは、解除グリップの操作だけで瞬時にはしごが地上までスライドして伸びるものも出てきているようだ。

 今年は壮年のリチャード・ギアが、いくら日本通とはいえ「ハチ~!」とか言っている不思議な物語に出演しているが、やはり本作のようにアルマーニのスーツに身を包んだ『アメリカン・ジゴロ』ばりのセクシーな姿が、女性たちの描くギアのイメージではないだろうか。キュートなジュリア・ロバーツも必見である。