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ファナック、6kgの可搬重量をもつパラレルリンクタイプの高速搬送・組立ロボットを販売開始

ファナック「ゲンコツ・ロボット3号」 ファナック( http://www.fanuc.co.jp )は、高速コンパクトロボット「ゲンコツ・ロボット1号」M-1iAに引き続き、「ゲンコツ・ロボット3号」FANUC Robot M-3iA の販売を開始した。

 同品は、6kgの可搬重量をもつパラレルリンクタイプの高速搬送・組立ロボット。ゲンコツ・ロボットの特長である俊敏性と6自由度の柔軟さを兼ね備え、従来の多関節ロボットとは違った風貌と動作性能を持ったロボット。

 「ゲンコツ・ロボット1号、3号」のゲンコツ・ロボットシリーズによって、電子・機械の組み立て分野のロボット化と生産性の向上を狙い売り込んでいく。

 「ゲンコツ・ロボット3号」M-3iAは、可搬質量6kgという大きな可搬能力と直径1350mm、高さ500mmの動作範囲をもつ。また、高速移動動作と単純組立て作業に適した4軸タイプ(手首回転1軸)と、複雑な組立て作業に最適な3軸の柔軟な手首をもつ6軸タイプの2種類を用意している。

 4軸タイプの先端回転軸は、4000°/secと超高速回転動作が可能。掴んだ部品の向きを合わせるなどの部品整列や実装動作を瞬時・高速に行う。

 6軸タイプはパラレルリンクロボットとしては、ゲンコツ・ロボットシリーズのみが実現した柔軟な3軸手首を持つ構成となっている。3軸手首の動きで、把持した部品の向きを自由に傾けることができ、斜めに挿入する、捻りを加えるといった、人間の手の動作と同じ柔軟な動作を行うことができる。DVDプレイヤー、TV、パソコンなどの家電製品からモータやトランスミッションなどの機械部品まで、幅広い組み立て用途に対応できるという。

 主な特徴は以下のとおり。


  1. 独自の手首駆動方式
     従来のパラレルリンク構造ロボットでは、先端手首軸としては回転1軸までであったのに対し、ゲンコツ・ロボットは、独自の方式により手首3軸構造を実現し、搬送作業のみであったパラレルリンクロボットの適用範囲を、組み立て分野にまで大きく広げた。「ゲンコツ・ロボット3号」M-3iAでは、手首軸モータをリンク上部に配置する独自の方式を開発し、大きな可搬重量と動作範囲を確保した手首3軸構造を実現している。
  2. 食品衛生環境対応
     完全密閉構造を採用した「ゲンコツ・ロボット3号」M-3iAは、粉塵やオイルミストが浮遊する環境でも安心して使用できる。また、酸・アルカリによる殺菌消毒洗浄が可能な表面処理および食品対応の潤滑油を封入するオプションを準備しており、食品を取り扱う用途にも広く使える。
  3. 豊富な知能化機能
     人間の手首のような柔軟な動きをするロボットに、人間の目に相当する内蔵ビジョン機能を組み合わせることで、部品位置決め装置などの周辺装置を使わずに、シンプルなシステム構成で高度な組み立て作業が可能となる。また、ロボット間でお互いの位置情報を交信しあいながら10台のロボットを協調させて動作できるロボットリンク機能により、複数台のゲンコツ・ロボットを連携動作させることで、高い作業効率を実現することができる。さらに、先端のツールが周辺機器と干渉したような万一の場合でも、ダメージを最小限に抑える衝突検出機能を含めた知能化機能を備えている。