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第68回『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』

 本作は、『シザーハンズ』などのティム・バートン監督がディズニー・スタジオ在籍中から温めていた企画を、全編ストップモーション・アニメーションを用いて実現した人形アニメの感動作。

 ハロウィン・タウンのキング、骸骨のジャック・スケリントンは、ハロウィン演出家として市長や市民たちに絶賛されながらも、毎年のハロウィンの準備に明け暮れることに嫌気がさしていた。彼はある日、相棒の幽霊犬ゼロとともに森を散歩していると、クリスマスツリーの形のドアがある木を見つける。ドアをくぐり抜けるとそこは、町中がクリスマスを祝うクリスマス・タウンだった。初めて見るクリスマスの装いに魅せられた彼は、ハロウィン・タウンに戻るやクリスマスの研究に没頭。とうとう彼は、サンタの代わりにプレゼントを渡そうと、サンタに休暇をとってもらうべくイタズラっ子3人組を派遣するが、3人はハロウィン・タウンの悪役ウーギー・ブーギーにサンタを引き渡し、サンタはとらわれの身となってしまう。

 クリスマス・イヴ。ゼロをトナカイにそりに乗ってプレゼントを配って回るジャックだが、ハロウィン・タウンの住民が作った不気味なプレゼントで被害が続出、ジャックは偽者サンタとして軍隊に攻撃されることになる。このとき手回しハンドルでギヤを回し、レーダーや迎撃ミサイルの姿勢制御がなされる。かなり精密なギヤなのか、標的を精確にとらえることができる。ついにレーダーはジャックをとらえ、ゼロとそりともども、打ち落とされてしまう。

 本作では、撮影自体にもメカが多用されている。たとえばモーション・コントロール・カメラの導入などにより人形の表情の変化をシミュレーションすることなどで斬新な映像を実現、ハロウィン・タウンとクリスマス・タウンを行き来するジャックの喜怒哀楽を、見事に表現している。