第72回 新成長戦略の早期実行に向け技術開発の促進を

PHVプラグインハイブリッド車(提供:トヨタ自動車) 政府は先ごろ、「新成長戦略(基本方針)~輝きのある未来へ~」を策定、経済産業省として成長戦略を速やかに実行に移す観点から、戦略分野ごとに、予算、法律、税制など、今年度および来年度に着手すべき施策を「早期実行プロジェクト25」として取りまとめた。わが国の強みの発揮として「環境・エネルギー」と「健康(医療・介護)」を、フロンティアの開拓として「観光・地域活性化」と「アジア経済戦略」を、成長を支えるプラットフォームとして「科学・技術」と「雇用・人材」を主要な戦略分野として位置づけて需要を創出、GDP成長率で名目3%、実質2%を上回る成長(2020年度までの平均)、名目GDPで2009年度473兆円(見込み)から2020年度650兆円程度への拡大、失業率で3%台への低下(中期的)を目指す。

 ここで、環境・エネルギーでは、太陽光発電システムやパワー半導体、高効率照明としてのLEDなどグリーンイノベーションの集中的研究開発投資と事業化促進や、エコカーやエコ住宅などの推進などを挙げ、医療ではがんの超早期診断・治療機器の総合研究開発の推進などを挙げている。

 これまで本欄で取り上げたように、太陽光発電ではより発電効率を高めるための太陽光追尾システムなどが、太陽光パネル基板やLED基板などの加工ではダイヤモンド砥粒電着のワイヤソーシステムなどが、エコカーとしてハイブリッドカーでは燃費向上を図る小型・軽量の駆動モーターや発電機構での小型化による出力低下を補う高速回転化などが、がんの早期診断につながるCTスキャンではX線管を搭載したガントリの回転数向上などが、その先端の治療システムとしてはアクチュエータ・ロボットによる遠隔手術などが、研究開発すべきメカ技術として注目されてこよう。

 こうした新技術を普及する上で、すでにエコカー減税の6ヶ月間延長という税制措置が決まったが、特にわが国医療分野での問題として新技術の普及を阻害している法律の側面にも着手しようという今回の取り組みへの政府の力強い姿勢に期待しつつ、予断を許さない経済環境ながら産業界の新技術開発への継続・強化を求めたい。