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ヤマハ、小型・低価格を実現したロッド仕様の単軸ロボット

ヤマハ発動機「SRタイプ」 ヤマハ発動機( http://www.yamaha-motor.co.jp/ )は、ステッピングモータを使用した単軸ロボット「トランサーボ」シリーズに、ロッド仕様の「SRタイプ」6機種を新たに開発し、2010年9月1日より発売する。

 トランサーボシリーズ「SRタイプ」は、ステッピングモータを使用しながらサーボモータと同等の性能を実現した小型アクチュエータである。スライダー仕様の従来モデルトランサーボシリーズ 「SSタイプ」に対し、「SRタイプ」ではステッピングモータとボールねじの組み合わせにより、本体に対しロッドが伸縮動作をする仕様とした。ロッドの先端にツールを付けての搬送作業や、幅決め・幅寄せ、ロッドでワークを押しつけながら締め付ける作業など幅広い用途に対応し、専用コントローラ「ロボットポジショナTS-S」との組み合わせで、さまざまな生産工程に対応する。

 近年、工程の自動化・半自動化を進める生産現場では、部品の小型化や製造設備の省スペース・省エネルギーに対応するための、小型・低コストで信頼性・耐久性に優れたアクチュエータが求められており、市場が拡大している。トランサーボシリーズ「SRタイプ」は、これらの要求に応え、ベクトル制御方式のステッピングモータを採用したアクチュエータとして開発。精密組立が要求される電気・電子部品や小型精密機械部品のあらゆる生産設備において、組立、検査、移載、搬送、などの様々な工程・用途に使用可能なほか、医薬品・食品分野のハンドリングや検査工程への採用が期待されている。

 主な特徴は以下のとおり。


  1. ベクトル制御方式を採用
    ステッピングモータは、低コストや停止時のハンチング(微振動)が無いなどの特長がある反面、高速でのトルク低下や停止時の電力消費量、動作時のモーター音の大きさなどが欠点とされていた。トランサーボシリーズ「SRタイプ」では、ベクトル制御の採用でこれらの欠点を解消し、サーボモータと同等の機能・性能を実現した。

  2. メンテナンスフリーを実現
    ボールねじ部分に潤滑装置を装備したことで、長期に亘り潤滑油を補うことができる。また、ロッドの出入り口には2層の接触スクレーパを採用し、微細な異物が内部に侵入することを防ぎ、メンテナンス間隔の大幅な延長を可能にした。

  3. レゾルバによるクローズドループ制御
    位置検出器に信頼性の高いレゾルバを採用し、オイルミスト、粉塵、振動などのある悪い環境下での使用が可能。また、クローズドループ制御によりステッピングモータ特有の脱調現象を解消。