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神戸製鋼など四社、航空機・電力プラント向け大型鍛造品を製造する新会社

 神戸製鋼所( http://www.kobelco.co.jp )、日立金属( http://www.hitachi-metals.co.jp )、IHI( http://www.ihi.co.jp )、川崎重工業( http://www.khi.co.jp )の4社は、航空機・電力プラント向け大型鍛造品を製造する日本エアロフォージを共同で設立した。

 四社は、事業主体となる新会社を2011年1月に設立し、大型鍛造品製造に向けた準備を開始。国内で初めてとなる能力50,000t級の最新鋭大型鍛造プレスを導入することで、国内では不可能であった大型鍛造品の製造を行う。これにより需要拡大が見込まれるチタン・ニッケル・高合金等の大型鍛造品の国内での安定生産が可能となる。加えて、国内にて一貫製造を行うことで、製造過程で大量に発生する加工屑等のスクラップを高効率で再生利用する体制を整え、レアメタルの使用削減に寄与するとともにコスト競争力向上が期待出来る。また、将来的には海外航空機メーカーにも鍛造品を供給し、世界需要にも応えていく。

 新会社は、チタン、ニッケルおよび高合金などの素材を大型鍛造プレスにて鍛造加工し、航空機エンジン用・機体用鍛造品および電力用鍛造品を製造する。具体的には、日立金属、神戸製鋼等の素材メーカーがチタン、ニッケル、および高合金などの素材を新会社に供給し、新会社はそれらの素材に対して鍛造加工を行う。

 鍛造加工後の素材は、新会社から素材メーカーへ戻され、熱処理、機械加工、検査を行った後、IHI、川崎重工等の国内重工メーカー、重電メーカー各社に供給される。日立金属、神戸製鋼は、新会社の事業をそれぞれの事業戦略の中に組み込み、強力に推進する。また、IHI、川崎重工は新会社の円滑な事業の立ち上げを側面から支援していく。

 日立金属は、ニッケルおよび高合金の鍛造・金型技術を中心とした知見、神戸製鋼は、チタンに関する日本で唯一の溶解からの一貫製造技術で新会社のモノづくり力向上を支援する。IHI、川崎重工は、この大型鍛造品の安定供給を受け、これまでに培った航空部品の高い機械加工・組立技術を活かし、日本の航空機関連事業の発展に貢献する。

 新会社は、2011年3月より岡山県倉敷市において工場建設に着手し、2012年3月の完成を目指す。また、2011年3月には既存の出資4社に伊藤忠丸紅鉄鋼、双日エアロスペースの2社を加えた 6社を引受人とする第三者割当増資を実施する予定であり、最終的な払込資本は37億円、総事業費は約200億円となる見込み。