第130回 メンテナンス活動から、ものづくり産業の復活・拡大へ

 東日本大震災に伴う津波で建物が全壊した宮城県南三陸町志津川のガソリンスタンドで先日、地下タンクから足こぎ式ポンプを使ってガソリンをくみ上げる作業が行われた。地下タンクに吸引ホースを差し込んでペダルをこぐと、3回転で1Lのガソリンをくみ上げられるという。緊急車両や避難所の発電機などへの給油がなされた。

footpedal 津波被災地のスタンドの多くで給油機が流失しているが、地下にあるタンクは破損していないものも多い。国内石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーのENEOS系スタンドでも、東北地方にあるスタンドのうち1,000件程度の地下タンクで漏洩がないことが確認できており、系列のメンテナンス企業が復旧工事に取りかかり始めたという。


ssガソリンスタンドの構造 ガソリンスタンドには地下5m程度の深さにそれぞれレギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油、灯油のタンクが埋設され、各々から配管がなされ、燃料をくみ上げ給油する計量機(給油機)に接続されている。

 今回の津波被害により地上にある給油機は流されているものの、破損していないタンクであれば配管工事と給油機設置で早い時期にガソリンスタンドを再開できるという。依然、東北地方での燃料供給が逼迫する中、メンテナンス作業が急がれる。

 こうしたガソリンスタンドをはじめ、これまで円滑に稼働しているときには陰の立て役者であったメンテナンス事業の活躍が今まさに期待されている。原子力発電所の事故収拾は最たるものであろう。

 メンテナンス作業をはじめ、冒頭に紹介した足こぎポンプによる給油活動に見るように、また自動車部品メーカーなどの工場復旧に向け自動車メーカーや工作機械メーカー、計測器メーカーなどが支援に動き、徐々にではあるが操業が再開されてきているように、できることから取りかかり、我々は前進していかなくてはならない。

 震災による国民生活、産業界への打撃は確かにはかりきれないが、そうした先行きの不透明性からシュリンクするのではなく、一人一人が希望を持って、アクティブな活動を再始動したい。わが国のものづくり産業の復活、さらには成長に向けて。