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産総研、金属触媒を使わないグラフェン空気極を用いたリチウム-空気電池を開発

 産業技術総合研究所( http://www.aist.go.jp )は、貴金属や金属酸化物の触媒を使わず、グラフェンだけを空気極に用いた新型リチウム-空気電池を開発した。

 従来のリチウム-空気電池の空気極は、貴金属や金属酸化物の触媒などを原料とし、複雑なプロセスにより作られている。今回、そのような触媒を一切含まないグラフェン空気極を用いて「金属リチウム/有機電解液/固体電解質/水溶性電解液/グラフェン空気極」という構造のリチウム-空気電池を開発した。

 このグラフェン空気極は、白金(Pt)を20wt%含むカーボンブラックからなる空気極に近い酸素還元活性を持っている。開発したリチウム-空気電池を0.5 mA/cm2の電流で50回程度繰り返し充放電しても電位がほとんど劣化せず、安定した繰り返し充放電が可能であった。

グラフェンだけからなる空気極を用いたリチウム-空気電池の構造図(左)。グラフェンによる酸素還元のイメージ図(中)。グラフェン空気極を用いたリチウム-空気電池の0.5 mA/cm2における充放電サイクル曲線(右)グラフェンだけからなる空気極を用いたリチウム-空気電池の構造図(左)。グラフェンによる酸素還元のイメージ図(中)。グラフェン空気極を用いたリチウム-空気電池の0.5 mA/cm2における充放電サイクル曲線(右)