メインコンテンツに移動

豊橋技科大、電化路面から自動車ホイールへの送電実験に成功

ルミ板から車輪のアルミホイールへ電力を伝送する実験に成功 豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系 波動工学研究室(大平孝教授)は、電化道路電気自動車「EVER (Electric Vehicle on Electrified Roadway)」 の研究を進めており、このほど電化路面から自動車ホイールへの送電実験に成功した。

 EVERは、大容量バッテリを車載せず、道路インフラからエネルギーを集電して、電気鉄道のように走行する電気自動車。EVERが実現できれば、現在のEVの普及を妨げている主要3大要因の航続距離が短い、充電時間が長い、車両価格が高い、を一括に解決することが期待できるという。

 同研究室では、電車のパンタグラフの働きを自動車のタイヤが果たせないか(タイヤは常に路面に接地していることに着目)と発想。タイヤはゴム製なため、通常の50/60Hzの電流は流れない。そこで、電流を10MHz以上の高周波エネルギーに変換してタイヤに供給するという仕組みを考案。今回、路面下に埋設したアルミ板から車輪のアルミホイールへ電力を伝送する実験に成功した(写真上)。

 成功のポイントは、路面下導体板とタイヤ内スチールベルト間の静電容量C1、ならびに、スチールベルトとアルミホイール間の静電容量C2をうまく利用して高周波回路を構成したこと(下図)。高周波電源(インバータ)からのエネルギーがこれら静電容量を介して車軸に伝わり、その結果100W白熱電球が明るく輝いた。この技術で主要幹線道路が電化できれば、小さなバッテリの電気自動車で長距離旅行することが夢ではなくなるという。

構成図構成図